ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第158話

 「敵が増えてきたな・・・。」

 「らぴ!」

 「上か!」

 

 狭い通路も進んでいくにつれて広くなっていくが、同時に敵も増えてくる。空を飛びながら消化液を吹きかけてくる敵をかわしながら、持ち替えたライフルで撃ち落としていく様はシューティングゲーム染みている。

 

 そんなシューティングに強いラッピーの勘も冴えわたり、肩の上から的確にアドバイスをくれる。相変わらず日本語とは違う言葉だが、言わんとすることは解れるから問題ない。

 

 『もうすぐエレベーターシャフトのようね。』

 「この先にボスがいる!」

 

 とはいえ、いくら進化したゼバブが飛行能力や消化液を吹き出すことが出来たところで、ダークリリィの敵ではないが。

 

 『だが気をつけろ、これだけの軍勢がいるとなると敵の規模は相当なものだ。数で圧倒されないこともない。』

 「でも2人だって圧倒的な数と戦ってこれたんでしょう?」

 『それが今の遊馬に出来る?』

 「これから出来るようになるの。」

 『言うじゃない。』

 

 向かってくるゼバブを的確に撃ち抜き、破片が落ちていくのを見送りながら、レバーを握る手にも自然と力がこもる。

 

 「何度も言うようだけど、一刻も早く強いパイロットになりたいからね。これからは僕だって守る側だ。」

 『にしては、結構遊馬ってセンスあるわよね。初めてとは思えないぐらい。』

 『確かにな。』

 「そう?なんかよく言われる。」

 

 いくらレベリオンの操縦がかなり簡略化されいるからと言って、ただのゲーマーの引きこもりには荷が重いものだとは、確かに思う。シミュレーターはそこそこやったけど、それだけで果たしてA+級の敵と渡り合えるものだったろうか?今になって疑問に思う。

 

 「らっぴ?

 「そうだね、今は目の前の敵に集中しようか。」

 

 今はアシュリーも乗せているのだ、一層気を使わなければならない。いくら重力制御装置が備わっているとはいえ、急制動によるGも体の小さいアシュリーにはキツいものがある。戦い方には気を使う必要がある。

 

 『そういう時は出来る限り距離を取りつつ、遠距離で確実に仕留めるんだ。』

 「わかった。となると、火炎放射器は使い辛くなるかも・・・。」

 

 ほか、ナイフやランスなどの近接武器も使いにくいだろう。元からあんなやつらに接近すること自体願い下げだったが。

 

 『あの破片や体液をクリーニングするのはあんまりやりたくないかな。』

 『ウイルスも怖いですし。』

 「やはり滅菌は大切だなぁ。」

 『そういえば、冷気に弱いんだっけ?』

 「うん、それはそうなんだけど・・・。」

 

 たしかに、EADの作用は冷気やアルコールによって弱体化するが、それだけでは完全に死滅しない。シベリアの凍土からその原始ウイルスが見つかったことがその例だ。

 

 『・・・それで、アシュリーの体内の抗体が必要になるって?』

 「うん、そういう話だった。」 

 「私?」

 『ああ、この話は今はやめておこうか。』

 

 突然、自分のことを話題に挙げられてアシュリーも困惑しているようだったので、早々にこの話題は打ち切った。

 

 『冷気で死なないウイルスが、抗体でも死ぬかな?』

 「なに、トビー?」

 『なんでもない。』

 

 この疑念は、すぐに的中することとなる。それも考えうる最悪のさらに最悪の形で。

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