ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
『ブゥウウウウウウウウウウウウン!!』
「来た!!」
不浄の沼から出し恐怖の巨神、『バエル』は、通常のハエとも異なる3対の羽を広げて、まるで人間のように発達した指を持つ肢をダークリリィへと伸ばしてくる。
『腕もあるのか!』
「知らない、僕の知ってるラスボスじゃないぞ!?」
それもそのはず、もはやバエルはゼバブの枠組みを超えた、『新たな生命』にして『新世界の支配者』である。もっとも、その新しい世界にヒトの住むところはないんだが。
故に、その新しい生命を誰も『ゼバブ』と呼ぶことは無い。その代わりに『人類』と呼び、呼ばれるようになる。
「くっ!デカくなったところでムシケラごときに!」
遊馬は手に持ったライフルのトリガーを引く。だが、装甲のように硬質化した皮膚を貫くことが出来ない。
「ウソだろ!?」
『避けろ、遊馬!』
あの大腕に捕まれるわけにはいかない。やや狭いエレベーターシャフト内だが、旋回して回避することに成功する。
『シュルルルルル・・・』
しかし、一度手を伸ばしたところでバエルはダークリリィを無視して上昇を始めた。
「こいつ、どこを目指している?」
エレベーターの上には真空の世界、宇宙しかない。ステーションやオービタルリングのほかと言えば・・・。
『・・・まさか、クラックか?!』
『次元の裂け目を目指しているっていうの?』
むしろ、それしか考え付かない。もうダークリリィには眼もくれず、バエルは空へ空へと昇っていく。
『いや、だがどうやってクラックのことを知った?』
『それに、オービタルリングまで3万6千km、クラックまでは10万kmもあるのよ?生物が羽で飛んでいけるようなものじゃないわよ!』
「ん?レーダーに、今度はなんだ?」
モンドとエルザはそれぞれが疑問の声を上げた。だがその問いに答えるように、下から接近するものがある。
「あっ!エレベーターシャトル!これに乗る気か!」
いつの間にか発射されていた軌道エレベーターが上がってきた。そして示し合わせていたかのようにバエルはその上に乗っかる。
『野郎!ただデカいだけじゃないようだな!』
『頭脳まで発達しているのか・・・。』
どうやって知ったのかはもはや問題ではない。明確なのは、バエルはクラックを目指しているということだけだ。
『こんなやつらを野放しにしておくわけにはいかないし、世界を融合させるなんてもってのほかだぞ!』
「くそ!待て!!」
知っているからには、方法も何かがるのだろう。ダークリリィも急いで追いかける。