ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第161話

 「追い付いた!」

 

 このエレベーターシャトルを破壊してしまえれば楽なのだろうけど、生憎ここはとかく頑丈に作られている。大型ミサイルでも持ってこなければ破壊することはできないだろう。

 

 『ビームは?』

 「リチャージ中!」

 『なんで余力を残しておかない!』

 「仕方ないだろ!」

 

 こればっかりは遊馬の判断が甘かったとしか言えない。けど誰も止めなかっただろ!責任転嫁もしたくなるのをぐっとこらえて、ペダルを踏みこんでエレベーターシャトルの上に乗り込む。

 

 『シャアアアアアアアア!』

 

 悠々と宇宙への旅を満喫しているバエルも、自身に迫る追ってに気づいた。ここからは一騎討ちとなる。

 

 『近接戦闘になるなら、やっぱり火炎放射器が役に立つか。』

 「燃料は十分ある。」

 

 ライフルからフレイムスローワーに持ち替え、トリガーを引けば3000℃の炎の蛇が牙をむく

 

 時間を置くごとにぐんぐん標高は高くなり空気も薄くなっていく。だが特殊燃料ジェルには酸素が含まれており、たとえ真空の宇宙に出ても問題なく燃焼する。

 

 『シュルルルルルルル・・・!!』

 

 ライフルを弾く甲殻も、熱の伝導には弱い。ゼバブも苦悶の声を上げる。銃口の向から外した後も、顔や腹に付着したジェルが燃焼を続けている。

 

 「デカくなって火には弱いままか。そうでなくてはな!」

 

 だがいくら残量に余裕があるとはいえ無駄に放射し続けていると燃料もすぐ底を尽きるだろう。それまでに倒せるのか、勝ち筋を見つけなければならない。

 

 「いや、ビ-ムのリチャージを待てばいいだけか。」

 

 考えなくとも、火炎放射よりよっぽど威力のある武器を持っているではないか。リオンビームさえ撃てれば、勝ち確定。本当にチートだ。

 

 「リチャージまでの時間は?」

 『あと3分。』

 

 そうこう相談している間に、ゼバブはその長い肢を振るって、ダークリリィを捕えようとする。だが器用さもスピードもはるかに上、ただ振るわれるだけの攻撃にはかすりもしない。

 

 「生まれたての赤ん坊のようによちよちの攻撃をしよってからに!」

 

 さて、問題はビームでどこを撃つかだ。脚や羽を狙って行動力を奪うか?頭を潰すか?心臓を貫くか?それも目の前に置いてある肉をどう調理するか?というレベルの悩みでしかないか。

 

 『キシャアアアアアアアアアアア!!』

 

 「吠えるな吠えるな。今楽にしてやる。」

 

 戦いが始まる前は危惧されていた問題も、こうなれば全くと言っていいほどに楽勝だ。なにせエレベーターが天辺に着くまで数時間はかかった。その前にビームは何発撃てる?やはり機体が強すぎる、ゲームバランスがぶっ壊れている。

 

 「当たれよ!ビーム!!」

 

 バエルの横なぎ攻撃を跳んで躱すと、その脳天をロックする。

 

 「なにっ!?」

 

 突如バエルの体から無数のゼバブが放出され、ビームを遮る壁となった。

 

 『こいつら、群体が一個体を形成してたのか?』

 「これぐらい、ビ-ムで押し返してやる!うわっ!?」

 『左からくる!左だ!』

 「なにっ?!うぉおおおおお!」

 

 ビームで駆除しきれる量ではなく、そればかりか夥しい数のハエがモニターを塞ぎ、横から迫る巨腕に気が付かなかった。

 

 「くっ、しまった・・・!」

 

 ダークリリィはもがく暇もなく、バエルによって地面に叩きつけられてしまった。

 

 「ぐっはぁ・・・。」

 「あ、アスマ・・・。」

 「らぴぃ・・・。」

 「アシュリー・・・ラッピー・・・うっあ・・・。」

 

 後部座席にいたアシュリーも揺さぶられてグロッキーになった。ミシミシと機体は悲鳴を上げ、モニターも死んでいく。

 

 「ぜ、ゼバブが・・・入ってきた!?」

 

 どこかの隙間から、羽虫がコクピット内へと侵入してくる。

 

 それはあっという間に遊馬の視界を黒に染めた。

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