ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第162話

 「あれ?」

 「『あれ?』じゃねえよ。この展開も何回目だ。」

 「大丈夫アスマ?」

 

 視界が暗転から回復すると、そこには見知った顔がいた。

 

 そうか、また負けたからこっちに戻ってきたのか。ホラーゲームなら一撃死の攻撃を持ってる敵もそう珍しくなく、たまーに道中のザコが使ってきて、ほどよい緊張感を与えてくるだけだったのに。が、まさかラスボスまで使ってくるとは。そこまで来て即死級の大ダメージならまだしろ、即死攻撃とか萎える要素にしかならないと思うのだが。

 

 いや、正確には遊馬の記憶にあるラスボスとはまた別な存在なのだが。少なくともバアル・ゼバブは使ってこなかった。攻略自体は全ルート共通のパターンがあるのだが、キャラクターごとによって微妙にステータスが異なるので、手順が前後してそれなりに緩急はあったと記憶している。・・・その記憶も今となっては怪しいものなのだが。

 

 「あれ、アシュリーとラッピーは?」

 「来てないですわ。」

 「ってことは、向こうに置き去りか。」

 

 正直今まで以上に戻りたくない光景が広がっているが、当然そんなところに2人を置き去りにしたままなんて出来ない。

 

 「しかし、どうやってクリアしたものか。普通に倒せればそれでよかったのに、ダークリリィがやられてしまっては・・・。」

 「というかダークリリィを使っておいて負けるなんて、遊馬本当にゲ-ム上手いの?」

 「うっ、うぅ・・・なんだか自信無くなってくるな・・・。」

 

 エルザに言われて、いや言われなくても自身の強みにすら自信がなくなってきた。遊馬にとってゲームの腕だけが、なけなしのプライドを保ってきたのに。

 

 「あのなぁ、もっと自分を信じろよ。少なくとも今まではお前のゲーマーの勘でうまくやってきてただろう?」

 「けど、それは一度プレイしたことがあるゲームだったからで・・・やってないところは自信が・・・。」

 「ゲームだろうが戦闘だろうが、最初は『やったことがない』まっさらな状態だろ。」

 

 後ろ向きになっていた遊馬に、モンドのお叱りの言葉が刺さる。

 

 「そうですわね、誰だって初めては初めてですわ。私だって初めてカサブランカに乗った時はそりゃあ緊張したし、大変でしたわ。」

 「美鈴?」

 「けど、初めて動かした時の感動はそれはもうすごかったですわ。」

 

 ふんす!と美鈴も胸を張る。

 

 そういえばそうだ。初めてプレイするゲームにはいつもワクワクしていたじゃないか。そして、どんなゲームも全力で楽しむと。

 

 「よし、自分の可能性を信じよう。」

 「それでいい。」

 

 

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