ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第168話

 『ジョアアアアアアアアアアア!!!』

 

 先に動いたのはバエルの方だった。棘の生えた触手のような腕を振るい、目の前のちっぽけな存在、遊馬を叩き潰そうとする。

 

 「わわわっ、よっと!!」

 

 それを遊馬は寸でのところで跳びのいて躱す。触手攻撃はかなり追尾性能が高かったので、ギリギリまでひきつけないと当たるはずだったと記憶していた。

 

 「そしてすかさず触手に反撃!」

 

 この攻撃の瞬間だけ見せる腕の関節部分が最初の弱点だ。モンドから託されたレーザーキャノンの連射モードを浴びせる。

 

 トリガーを引けば、眉を顰めるような連続の反動が返ってくる。これで反動を抑えた方なのか、というかレーザーの反動ってなんなのか。以前、レベリオンを撃った時はもうちょっと衝撃が弱かったような・・・色々と頭の中を情報が流れてくるが、今はそれをすべて受け流す。

 

 『キョワァアアアアアアアア!!!』

 

 ともかく威力は抜群だ。グシュグシュと弾が突き刺さった痕から液体が溢れ出て、組織が破壊されていく。バエルは苦悶の声をあげている。

 

 だがただやられてばかりいるバエルではない。無事な腕はまだ3本も残っているのだから、それらでまとめて叩き潰しにかかってきた。

 

 「避けられるか!?避けるぞ!」

 

 触手が叩きつけられるたびに地面が揺れ、衝撃が走るが、直接ぶん殴られているわけではないから痛くない。そう怯える心を奮い立たせ自分に言い聞かす。竦む足を無理矢理動かさせ、とにかく後ろへ。ある程度距離をとると攻撃の射程外へ出られるのだが、これもどうだ?

 

 「うっし・・・どうやら、まったく変わってしまっているわけではないみたいだな。」

 

 案の定といったところ、攻撃の手は薄くなった。さらにエレベーターの縁ギリギリのところに窪みを見つけ、そこに体を滑り込ませる。どうやらここは安全地帯のようだ。一安心できた。

 

 ここまでは遊馬の考え通りに事が運んでくれている。ゲームの知識も役立ってくれる。

 

 ただここには攻撃に使えるオブジェクトがない。なにせ今も上昇を続けている軌道エレベーターの上なのだから。

 

 大気もだんだん薄くなっていく。そろそろ富士山の標高も越えて、高山病が心配になってくる頃合いだ。美鈴とエルザが用意してくれた酸素マスクを被っておこう。

 

 視界が少し狭くなるが、そのぐらいは承知の上。時間経過で命を落とすよりかはマシだ。

 

 「倒せるだけの準備はしてきたんだ、あとは実行に移すだけ!」

 

 この場でじっとしていてもらちが明かない。さあもう一度攻撃の時だ。

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