ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
とにかく発火攻撃を浴びないように、距離を摂りながら旋回し続ける。コックピットの中でレバーを握る遊馬は、額に汗を滲ませているが、心の中はだんだんとクールダウンしてきていた。
『ここまでやってダメなら、もう倒すの無理じゃない?』
「いや、なんかわかったかも。コイツにもバアル・ゼバブと同様に攻撃する順番があるんだきっと。」
頭を潰して、体を真っ二つにされても生き返るようなやつをマトモに倒す手段があるとは思えないかもしれない。いやしかし、こいつの場合は『逆』なのだ。
あのパイロキネシスや、宙を浮く力も、あの『6本の腕』から発せられているもの。むしろ本体は腕の方なんじゃないか。
「それにそもそもバアル・ゼバブもバエルも、腕を最初に攻撃してた。その原点に立ち返る時だ!」
なんやかんやチートや裏攻略法を模索していたが、いまこそゲーマーの勘を取り戻す時だ。結局わからないものをあれこれ頭の中で考えていてもしょうがない。まずは実践あるのみだ!
『猫の首に鈴じゃありませんこと?』
『腕を攻撃するつったって、どうするのさ?』
どう操ろうとダークリリィの腕は2本しかない。2本で抑えても残る4本の腕でシバかれるのが関の山というか実際さっきそうされた。
「足りない腕の分は、他の武器で補う。このエレクトリックで!」
『そうか、電気ショックを持っていたね。』
『掴んだままボイルするのか。』
『なら合気道と関節技のインプットね!』
先ほどゼバブの群れを焼き払ったので、電流の威力は申し分ないだろう。どこまで強く進化しようと、生物である以上電流は通るはずだ。
ピポポっとまた新たに戦闘データが送り込まれてくる。打撃キャラから投げキャラにチェンジだ。投げ技ならガードの上からでも有効打を見込める。
「腕を一本ずつ仕留めていって、後は・・・大気圏で焼き払ってやる!」
『自分がそうされないように気を付けろよ。』
あるいはビームで焼き払ってもいいが。センサーと一緒にビーム発振器がダメージを受けたのが少々気になる。もしも使うことがあればオーバーロードに注意しなければならない。そして注意するぐらいならハナっから使わないほうがマシ。
『組み付いて至近距離からビームを浴びせるというのはどうだ?』
「なかなかエゲつないこと思いつくんだね雄二は。」
『敵に情けなど不要だ。』
「それは最後の手段としてとっておこう。」
とりあえず脳の片隅にはキープしておく。偉大な先人の知恵だ、そう無碍にするものでもなかろうなのだ。