ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第181話

 「けどマジで速いな!追い付けるか?」 

 

 けど、自己修復のためにもゆっくりと追いかけてもいいかもしれない。せめてビームがオーバーロードしない程度にまでは回復させておきたい。センサーもかなりキズついているし。モニターまで死ななくてよかった。

 

 『リチャージさえ完了すればこっちもスピードが出るよ!』

 「けど、その前にあいつも再生完了しなければいいけど。」

 『そしたらその時にはこっちもまたビームを撃てばいいだけだ。』

 

 このままレーダーの外へ出られるのも困る。追いかけて今度こそ完全に抹殺しなければならない。

 

 「アスマ。」

 「ん?アシュリーどうした?」

 「私に出来ることって、あるかな?」

 「んー・・・今はないかな。」

 

 ちらり、と後ろに座るアシュリーを見やる。戦闘の間ずっとほったらかしにしていたし、今からも構ってやれる暇はないだろう。

 

 「私もラッピーも、ずっと見てるしか出来ないのかな?」

 「らぴ!」

 「暇?」

 

 ヒマな時はゲーム機でも与えられればいいのだけれど。生憎ゲームPODはコンソールにつながれていて使えない。

 

 一度は裏攻略法として白羽の矢が立っていたが、それがどうしようもないとしてまた放置されることとなっていた。

 

 それは『ちゃんと自分を見てほしい』と思っているアシュリーにとって酷な話になるな、と今気づいた。

 

 「ごめんね、かまってやれなくて。とにかく今はあいつを倒さなければいけないから。」

 「あれを倒したら、遊んでくれるの?」

 「うん、そうだよ。」

 

 いや、待てよ本当にそうか?倒したらそれでゲームは終わりだ。そうなったらアシュリーはどうなる?

 

 モンドやトビー達と同じように、ゲームの世界で一緒に暮らせればそれが一番いいかもしれない。けど、それって可能なのかな?今さらならながら気になってきた。

 

 「どう思う?」

 『いきなり振るなよ。』

 

 アシュリーには聞こえないように、出来る限り小さな声で通信する。

 

 『そもそも俺達がこの世界に呼ばれたわけも知らないし。』

 「そうだったね・・・。」

 『んー・・・てっきり遊馬が好きなゲームから適当に呼び寄せられたのかと思ってたんだけど?私たちは違うと思うけど。』

 

 確かにみんなのことは好き・・・正確にはみんなが出ているゲームは好きだが、果たしてそんな理由だろうか?

 

 考えてもしょうがない、と先送りにしていた問題が今になって噴出してきたようだ。

 

 エンディングを迎えても、ゲームをもう一度起動すれば、またキャラクターたちには会える。けど彼らは僕のこと、プレイヤーのことを覚えていないまっさらな状態に戻ってしまう。

 

 このアシュリーもまた、この世界をクリアしてしまえば消えてしまうんじゃないだろうか。そしたら、また1人ぼっちのアシュリーに戻ってしまう。

 

 「それじゃあ・・・ダメだよな。」

 

 では、どうすればいいか。次回には考えておこう。

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