ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「けどマジで速いな!追い付けるか?」
けど、自己修復のためにもゆっくりと追いかけてもいいかもしれない。せめてビームがオーバーロードしない程度にまでは回復させておきたい。センサーもかなりキズついているし。モニターまで死ななくてよかった。
『リチャージさえ完了すればこっちもスピードが出るよ!』
「けど、その前にあいつも再生完了しなければいいけど。」
『そしたらその時にはこっちもまたビームを撃てばいいだけだ。』
このままレーダーの外へ出られるのも困る。追いかけて今度こそ完全に抹殺しなければならない。
「アスマ。」
「ん?アシュリーどうした?」
「私に出来ることって、あるかな?」
「んー・・・今はないかな。」
ちらり、と後ろに座るアシュリーを見やる。戦闘の間ずっとほったらかしにしていたし、今からも構ってやれる暇はないだろう。
「私もラッピーも、ずっと見てるしか出来ないのかな?」
「らぴ!」
「暇?」
ヒマな時はゲーム機でも与えられればいいのだけれど。生憎ゲームPODはコンソールにつながれていて使えない。
一度は裏攻略法として白羽の矢が立っていたが、それがどうしようもないとしてまた放置されることとなっていた。
それは『ちゃんと自分を見てほしい』と思っているアシュリーにとって酷な話になるな、と今気づいた。
「ごめんね、かまってやれなくて。とにかく今はあいつを倒さなければいけないから。」
「あれを倒したら、遊んでくれるの?」
「うん、そうだよ。」
いや、待てよ本当にそうか?倒したらそれでゲームは終わりだ。そうなったらアシュリーはどうなる?
モンドやトビー達と同じように、ゲームの世界で一緒に暮らせればそれが一番いいかもしれない。けど、それって可能なのかな?今さらならながら気になってきた。
「どう思う?」
『いきなり振るなよ。』
アシュリーには聞こえないように、出来る限り小さな声で通信する。
『そもそも俺達がこの世界に呼ばれたわけも知らないし。』
「そうだったね・・・。」
『んー・・・てっきり遊馬が好きなゲームから適当に呼び寄せられたのかと思ってたんだけど?私たちは違うと思うけど。』
確かにみんなのことは好き・・・正確にはみんなが出ているゲームは好きだが、果たしてそんな理由だろうか?
考えてもしょうがない、と先送りにしていた問題が今になって噴出してきたようだ。
エンディングを迎えても、ゲームをもう一度起動すれば、またキャラクターたちには会える。けど彼らは僕のこと、プレイヤーのことを覚えていないまっさらな状態に戻ってしまう。
このアシュリーもまた、この世界をクリアしてしまえば消えてしまうんじゃないだろうか。そしたら、また1人ぼっちのアシュリーに戻ってしまう。
「それじゃあ・・・ダメだよな。」
では、どうすればいいか。次回には考えておこう。