ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第183話

 「そういえば、レイの宇宙船はこっちの世界にあるままなんだな。」

 

 遊馬にとっては、まるで十字架のようにそこに存在し続けている。

 

 「あれ、じゃあ元の世界にもひょっとしてあるんじゃないか?」

 『戻ってから確かめてみるしかないね。』

 「そうだね。」

 

 まあ、思考を戻そう。バエルはどこだ?宇宙ステーションのドックから見回してみるが、痕跡らしいものはない。重力があればそこらに体液やらが散乱していてもおかしくはないのだが。

 

 「なんかふわふわする・・・。」

 「無重力だからね。わっぷ。」

 

 アシュリーの身はチャイルドシートに固定されているが、その長い髪がバラけてコックピット内をふよふよと浮かび始めた。そして遊馬の目に入ってくる。

 

 「アシュリ-、髪まとめといて。美鈴、ヘアゴムある?」

 『ありますわよー、はいどうぞ。』

 「どうも、これ使って。自分で出来る?」

 「うん。」

 

 アイテム受け渡しの要領で、美鈴からヘアゴムをもらう。出来ることなら遊馬が自分の手で着けてやりたいところだが、生憎遊馬は今手が離せない。

 

 アシュリーは利口にも黙って髪を後ろでまとめてくれた。美鈴も宇宙ではこうして髪をまとめていたが、やはり長い髪というのは不便じゃなかおうか。

 

 『髪は女の命だって。』

 「わーかってるよ、何回も言われなくても。」

 『それよりも宇宙酔いは大丈夫か?』

 「そうか、アシュリー、気分悪くない?」

 「へいき・・・うっぷ・・・。」

 『ダメそうだな。』

 「酔い止めあったっけ?」

 

 そういえば遊馬も初めての無重力の時は、胃の内容物が逆流してくる感覚に襲われたものだった。今この調子じゃ、戦闘になれば無事では済まないだろう。

 

 実際初めての高軌道戦闘の時は遊馬もリバースしていたし。

 

 「はい、水なし一錠。」

 「ありがとう・・・。」

 「らぴ?」

 「ラムネじゃないよ。」

 

 よく効く宇宙用酔い止め、ネプチューンを出立するときに貰ったものだ。宇宙時代なだけあって子供にも対応してくれている。

 

 「すっとした?」

 「うん。」

 

 遊馬も一応飲んでおこうと思った。プラシーボ効果かもしれないが、酔い止めには精神安定剤的な効果も少しあるらしい。手の震えや喉の渇きにも効果があるだろう。

 

 『アスマも不安?』

 「武者震いさ。」

 『ふーん?』

 「嘘、ちょっと緊張してる。」

 

 今更な話だけど。死に直面している、というか戦闘中ならばアドレナリンが仕事をしてそんな考えも浮かばないのだけど、いざそこから離れると急に背筋が凍ってくる。

 

 『それは敵さんも同じだろうさ。』

 「そうだろうか?」

 『お前が追い込まれてるんじゃない、敵がお前にお前に追い込まれているんだ、と考えればいい。』

 「そっか・・・。」

 

 モンドの言葉に、少し心が軽くなった気がした。

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