ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第191話

 「ワクキュリア、そっちは大丈夫?」

 『なんとか・・・。』

「なんとかそっちに追いつければいいんだけどな・・・。」

 

 どだい無理である。いくら宇宙用バックパックがついているとはいえ、簡易量産機でオリジナル級の高軌道戦闘を繰り広げるワクキュリアとバエルになんか追い付くことすらできない。

 

 「なんとかちっこいやつらは倒せてるんだけどっ!」

 『なら網を張って待ち構えてる方がいいんじゃないか。』

 「そうか、そっちから誘導出来る?」

 『やってみる!』

 

 光るサインビーコンを宙に放ると、すぐ近くの物陰に隠れる。

 

 「そっちからこの光見える?」

 『うん、下に見える!今からそっち行くよ!』

 『ちゃんと受け止めてあげなよー!』

 「わかってる!」

 

 茶々を適当に受け流しながらソリッド・バズーカの弾を交換する。とは言ったものの、誘導性も何もないバズーカを当てるのは難しい。だから使うのは通常の弾ではない。

 

 『いっくよー!!』

 「こいー!」

 『こっちでカウントする!』

 「よろしく!」

 

 タイミングと呼吸を合わせて、すれ違う瞬間を狙う。

 

 『5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・。』

 「『今!』」

 

 バッと施設の陰から飛び出したライト・レベリオンと、高速で落下するワクキュリアが交差する。

 

 『!!』

 

 突然の乱入者にバエルの意識が一瞬反れた時には、既にバズーカは発射されていた。

 

 『グゥウウウウン・・・。』

 

 だが、その弾は途中で失速すると、バエルがそうであると同じように宙で止まった。また珍妙なポーズをとったバエルが念力で止めたのである。

 

 ふっ、とほくそ笑んだのだろうか、バエルは油断していた。

 

 『・・・ゼロだ。』

 「目をつぶれアシュリー!」

 

 静止した弾が炸裂した瞬間、白い閃光が場を支配した。

 

 遊馬が発射したのは閃光弾・・・ではなく、照明弾であった。これがただの炸裂弾であれば、念力で防ぐことも出来ただろうが、さしものバエルの超能力でも光までは防げない。

 

 『ゴワァアアアアアアア!!!』

 

 「光が好きなら、至近距離でたっぷりと味わうがいいさ!」

 

 そしてメインディッシュはコレ。ワクキュリアがナイチンゲールの穂についたピストンを連続でプッシュすると、魔力が充填されていく。

 

 「いっくぞー!!」

 『らっぴー!!』

 

 バエルが視力を取り戻した時には、もう一発の光の弾丸が放たれていたところだった。

 

 「光のオペ『アルティメット・ファーヴ』!!」

 

 ナイチンゲールの注射器が射出され、バエル・レベリオンの額を貫いた。

 

 「術式・・・完了。」

 『らぴ!』

 

 ナイチンゲールによって投与された光のワクチンが、EADの機能を停止させていく。それは同時に、バエルのすべての生命活動を停止させることに等しい。

 

 『グ・・・ゴ・・・』

 

 活動を停止した体細胞が、ミイラのようにカラカラに乾いていく。

 

 「バエルが重力に引かれて落ちていく・・・。」

 

 バエル・レベリオンは流れ星となったが、それを観察するものはこの世界には誰もいない。

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