ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「終わった?」
「ああ、おつかれさま。」
「うん、疲れたー!」
強く清廉なるワクキュリアの姿はどこへ行ったのやら、ライトレベリオンの開いたハッチに飛び込んでくる。
「おわっと!」
「アスマー、なでなでしてー!」
「わかった!わかったからどこかに留まらないと!」
わちゃわちゃとしながら、倒れ伏したダークリリィの元へと戻ってくる。
『これで終わったんでしょうか?』
『終わりでしょ?』
ラスボスは倒した、救済ルートにも入った、あとはエンディングを迎えるだけだけど。
「・・・エンディングに入らないな。」
「らぴ?」
『エンディングも自分で演出しろ、ってことなのかな?』
ボタンを押してメッセージ送りするところだろうか。だが中で演じているキャラクターたちはそんな気楽にいはいきそうにない。
「じゃあ総括しようか。アシュリー、満足した?」
「うん!けど・・・。」
「けどどうした?」
「これが終わったら、また私ひとりぼっちになっちゃんじゃないかなって。」
しゅん、とアシュリーは落ち込んだ。たしかにそうだな、ゲームが終わってエンディングを迎えればそこでGAME OVER、電源を切るしかなくなる。そして電源を入れなおしても、そこにはNEW GAMEしかない。
ゲームを起動すればいつでも会える、ただのプレイヤーだった遊馬ならそう考えていただろうけど、今はそう思えない。こうして生きているキャラクターたちと触れ合い、話した今なら。
「そうだな、僕もアシュリーとこのまま分かれるのは嫌かな。」
「そうでしょう!どうしたらいいかな・・・。」
「・・・アシュリーは、本当に変わったね。前はそんなに自分の意見を押してこなかったし。」
「そうかな?ダメかな?」
「ダメじゃないよ。」
むしろ、そんなワガママな心があるからこそ『続編』は作られるのかもしれない。そんな『願い』が集まって、次への構想が浮かぶんじゃないか。
『そうか、じゃあ私たちがやったようにゲームPODネクスに想いを籠めれば・・・。』
「新しい『ゲーム』が創られる?」
『試してみればいい。』
じゃあ試してみよう。ゲームPODネクスをアシュリーに託す。
「さあ願ってアシュリー、キミの望む世界を。」
「うん・・・えーっと、私は・・・。」
ぽわ・・・とにわかに淡い光がアシュリーの体から漏れ出す。その光はやがて、アシュリーの体だけでなく、その周囲を、世界を包んでいく。
「こ、これは?!アシュリー!」
「なんか・・・わかってきた気がする。これでいいんだって。」
「らぴ?」
「ラッピー、ありがとう。トモダチになれて嬉しかった!それにアスマ、ううん、『お兄ちゃん』、私を救ってくれて、ありがとうね!」
「アシュリー!」
遊馬の視界が、真っ白に染まっていった。