ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第6章
第194話


 「いま一度確認しておきたいんだけど。」

 『なにを?』

 「これまであった色々なことと、これからするであろう色々を。」

 

 今は軌道エレベーターのシャトルに乗り、ここからまた数時間かけて宇宙を目指している最中である。

 

 それだけではつまらないと、遊馬はゲーム世界と交信して時間を潰しているところだ。

 

 「列車の中では一瞬の出来事だったはずなのに色々あったよね。」

 『こっちの世界では時間の概念が希薄ですから、おれだけ経っているのかもよくわかりませんけどね。』

 「だからってグラウンドの一角に畑が出来てるのはどういうことなの?」

 『前にアスマが言ってた、農業や酪農をすることで経験値を得るゲームもあるって聞いたから、それでレベルアップが図れないかなとね。』

 

 そういうゲームじゃねえから!というか、いくらその牧場運営ゲームでもトラクターを使って耕すっていう選択肢はないし、それで経験値が入るものかよ。

 

 『まあそれは冗談なんだけど、あの花畑は手を入れられないのかなって、ちょっと実験がしたかったんだよね。』

 「実験?」

 『要するに、内部からプログラムを書き換えられないかって実験。あの花畑は雄二が創った深層心理世界で、いわば一番『ナマ』な場所。あそこから何かが繋がってないかなって。』

 『前にクラックは開いていたがな。』

 「つまりどういうこと?」

 『時空が不安定で、外と繋がってる場所なんじゃないかなってこと。』

 

 わかるようなわからんような。要するにウラ技というところか。

 

 「そういえば、ゲームの途中でカセットを抜き替えることで、イベントやエンディングを呼び出すバグ技があったような。」

 『んー、なんか近いものを感じるかも。』

 

 なるほど、それならちょっとわかるかも。

 

 「ん?ってことはバグ技で無理矢理ゲームクリアしようとしてるのか?」

 『そういうことになる。』

 「いやいやいや、そこは普通にクリアしないとマズいんじゃない?というかマトモにクリアしないとゲーマーとして恥なんですが。」

 『この際手段は選んでられない。』

 『勝てばよかろうなのだ。』

 「アカーン!」

 『まあまあ、そもそもこのゲーム自体がフェアじゃないと思わない?』

 「ン・・・まあそれはそうだけど。」

 『現実のゲームにも改造ツールとかあるでしょ?それと同じだって。』

 「そういうの僕は使ったことないし!」

 『じゃあこの先、お前はノーミスでクリアできると保障できるか?』

 「それは・・・。」

 『そりゃゲームならいいさ。だがこれは命がかかってるんだこの際手段は選んでいられないとは思わない?』

 

 それを言われると言い返せないのが辛い。遊馬もこれ以上危険に晒されたり、仲間を喪うのは好ましくない。けどなんだろう、その発言がなんかもう危なっかしい。

 

 「100歩譲ってウラ技を使うのはいいけど、ROMやハードの違法改造はやめたほうがいいと思う。補償効かないし。」

 『・・・だよね、正直止めてくれなかったらどうしようかと思ってた。』

 『実は私も・・・。』

 

 ああ、彼らがプログラミングで動く駒でなくて、血の通った人間でよかった。

 

 『ちぇー、楽しそうだったのに。』

 「おいこら。」

 『私はロボットですし?』

 

 約1名除いて。

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