ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第197話

 『よし、準備も出来たことだしっさっそくやってみようか。』

 「準備?何を?」

 『実験。』

 「だからなんの?」

 『半抜きバグ。』

 「やめろって言ったじゃん!」

 

 舌の根も乾かぬうちとはこのことか。ハードもソフトも故障する可能性があるというのに。

 

 『というかそもそも、お前だって間にクラックを拡げることを提案してたじゃねえか。』

 「あれは・・・攻略法の一種だと思ってたからだし。」

 

 しばらく前・・・というかいつかの自分の発言を顧みる、たしかにそんな人の道もゲーマーの道も外れたような発言を言ったような言ってないような・・・。

 

 『そもそもまっとうな攻略法っていったい何なのさ?ただただ提示されるゲームをクリアしていけば、それでエンディングにたどり着けるの?』

 「確かにそんな保証もない。」

 『ならあえてルールを破ってみるのも一つの攻略法じゃない?』

 「でも今やる必要あるか?」

 『思い立ったが吉日といいますわ。』

 「・・・なんか今は嫌な予感がするんだ。」

 『根拠は?』

 「根拠がないからイヤな予感って言うんだよ。」

 

 というか、ついさっきまで修羅場だったのに、どう転ぶかわからないような鉄火場に今から潜るのは御免被りたい。するならせめて万全を期したい。

 

 『じゃあその万全な状態っていつだよ。』

 「これからの月の調査が終わってから、とか?」

 『確実にその前に修羅場迎えるだろ。』

 「だろうけど。」

 『その時、また死にそうになってこっち来るんだろ?お前がそっち側でどうなってるのかは知らないが、いちいち絶叫しながら現れるお前を迎えるこっちの身にもなってみろよ。』

 『意外と心配してるんだねモンド。』

 『ほっとけ。』

 

 確かに、また死にそうな目に遭う、とかほぼ死んでるような目に遭うのは困る。今はダークリリィも出せないし、戦闘になれば困る。

 

 『ダークリリィ以外の解決法が見つけられるなら、今のうちにやっちゃうのがいいんじゃない?』

 「・・・たしかに。僕自身が強くなる方法とかあれば便利なんだけど。」

 

 手段のひとつとしては、他のゲームから武器やアイテムを引っ張ってきて装備すればいいのだけれど。今はそれも出来ないし。レーザーキャノンも強化服も、十分に強いのだがレベリオンと戦うには遊馬自身が弱すぎる。

 

 『だからあえて、今やるんだ。セオリーから外れた攻略を、セオリーから外れたタイミングで。』

 

 たしかに、順路から外れたところにこそレアアイテムなんかはあるというもの。命に至る門は狭く、その道は細く、至る人は少ないという。

 

 「道を外れて、新たな道を拓くのもまた道か。」

 『でしょう?』


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