ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
~前回までのあらすじ~
トビーたちの発案で、半抜きバグによってエンディングを口寄せすることとなった!
「はずだったんだけど・・・。」
遊馬は一人、自分の家の自分の部屋で一人ごちる。
そう、自分の家の自分の部屋。ゲーム世界の学園や基地でも、現実世界の軌道エレベーターでもない。いたって普通な、一般家庭の一室。
いや、いたって普通ではない。なかなかにこの部屋は散らかっているし、物も多い。たしかに自分の部屋はゲーム関連の物が多かったが、ここにはそれ以外の物の方が多い。つまりは、買った記憶のないカメラやマイク、それに照明なんかが該当する。
マイクなら、ネットゲームのボイスチャットなんかに使ったりするかもしれないが、遊馬はネットゲームをあまりしないし、チャットするような相手もまあいない。
カメラも、Webカメラではなく本格的なビデオカメラだ。照明と合わせて、何か動画を撮ったりするのだろうか。・・・一体何を?何のために?
「動画といえば・・・WooTubeとか?」
『〇〇やってみた』とかで有名な動画サイト、WooTube。そこになにかヒントがあるかもしれない。
「・・・あった。」
何が、というと自分のアカウントだ。動画にコメントを残すために作っただけのアカウントだ。
そのマイページの『投稿動画』という項目。おおよそ遊馬には縁がなかったその項目の中身を見て、愕然とした。
「うわ・・・なんて数の動画。・・・これ全部僕が?」
そこには200を越える動画がズラーっと並んでいる。タイトルを見たところ、ほとんどが料理動画のようだ。
「チャ、チャンネル登録数は・・・?」
まるで宝くじの結果を見るように、ドキドキと胸を高鳴らせながらクリックする。まあ、どうせ当たってたところで2000円程度・・・それでも十分に嬉しい数字だったが。はてさて。
「に、20万・・・?!」
いち、じゅう、ひく、せん・・・と算数を覚えたばかりの子供のようにケタを数えた。何度見返しても結果は変わらない。確かに20万人を超えている。
登録者数1万人もいれば人気があると言っていいだろう。それも激戦区と言っていい料理系チャンネルでこれなら・・・。
まあ百聞は一見に如かず。どんなゲテモノ料理で釣ってるのか。サムネイルを見る限り普通においしそうだが。
「ゲッ、顔出しなのかよ。んん?」
匿名が原則のネット上で、顔を出すリスクというのは計り知れん。これでも1ゲーマーな遊馬としても考えられないことだったが、もうひとつ気がかりなことがあった。
「これ・・・ホントに僕か?」
確かに毎朝鏡を見ればいる顔が、そこには映っていたが・・・何か違和感がある。まるで自分が自分じゃないような。
「・・・なんか、老けてない?」
老け・・・というか、心なしかふっくらとして来ているように見えた。ペチペチと自分の顔を触った確かめてみるが、触っただけではなんとも言えない。
なにより、自分はこんなに笑ったことがあっただろうか?動画に映るためのおべっかとは言え、こんな笑顔が出来る人間だったろうか?