ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第199話

 「うーん・・・確かに僕は僕だけど・・・。」

 

 洗面所で鏡を確認しながら、遊馬はまた一人ごちる。心なしか髭が伸びているように見えたので髭剃りをとる。動画ではそんなに髭が伸びているように見えなかったが。

 

 よく見れば洗面台にも見慣れない整髪料や化粧水など、男性用化粧品が並んでいる。だが使い方がよくわからない・・・よく見ると薄く埃が積もっているのを鑑みると、しばらく手を付けていなかったようだが。

 

 「・・・そういえば、動画をアップしなければならないんじゃないのか?」

 

 WooTubeで広告収入を得るには、定期的な動画の投稿が必須となる。

 

 「前回がいつだったんだろう・・・っていうか、今日は何日だ?」

 

 朝だというのに暑いから夏だとはわかる。郵便受けを覗いてみたが空だった。そういえば新聞は取っていないんだったっけか。

 

 『8月16日水曜日、ただいま7時14分。次は芸能ニュースです・・・。』

 

 ともかくテレビをつければ一発で分かった。そんなに日は離れていない・・・はず。腹がすいていたので朝食の用意をしつつ、そういえばともう一つ思い出したことがある。

 

 「お父さーん?いないのー?」

 

 この家では父と一緒に住んでいるはずだった。だが父の書斎や、風呂場を探し回っても父の姿はない。

 

 いや、そもそも父はヘイヴンの潜水艦、ネプチューンにいるはず・・・。自分もここにいるはずはない、思案にふけるがパンが焼けた音がして、脳はマーガリンを探すことに移り変わる。

 

 それにしても、料理系動画を投稿しているにしては冷蔵庫の中身がこざっぱりとしている。二人暮らしにしても少なすぎるぐらいだ。チューハイの缶が転がっているが、これは父の物ではないだろう。父はよくビールを飲んでいたから。

 

 『先日婚約発表をした、あの俳優夫婦に早くも亀裂が?』

 

 つけっぱなしにしていたテレビが次のニュースを報道する。あー、この俳優さん見たことあるな。たしかにこの女優と結婚したとか言ってた気が・・・それも『一番最初の世界』での話だが。カサブランカの世界と混ざってからのことは知らない。

 

 前にトビーが並行世界の収斂について語ってたが、つまりは今いるここは、元の世界に近い世界ということなんだろうか。どこかで何かが違うだけで、元の世界にすごく近い。言ってしまえば、元の生活に戻ってきたと言ってもいいかもしれない。しかも売れっ子な、ウハウハな生活だ。

 

 「いや、そうじゃないよな。」

 

 少し納得しかけたが、違う違うとすぐに否定する。自分はそんなアクティブな人間じゃない。合わない生活なぞしていると、すぐに体を壊す。

 

 元々の自分らしいこと、と言えばゲームか。早々にテーブルを片付けると、ゲームをしに自室へと戻る。

 

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