ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第203話

 「うーん・・・誕生日や電話番号ではないか・・・。」

 

 とりあえず、個人用アカウントのパスワードに好きなゲームキャラの名前など、自分の想像のつく限りのキーワードを入力してみるがうんともすんとも行かない。

 

 ホラーやサスペンスゲームじゃあるまいし、日記なんか残しているはずもない。いわばSNSが現代の日記とも言えるのだから、呟イッターは有力な手掛かりになると思っていたのだが。

 

 しょうがない、別のアプローチを考えるか・・・それともメールはどうだろうか?メールソフトを起動すると、また未読メールの山が飛び込んでくる。それらひとつひとつのタイトルを確認していく。

 

 「うーん・・・目が痛い。」

 

 目が乾いてシパシパしてきた。そろそろ夜の時間になる。今の遊馬が仮に学生の身分なら、多分夏休みの時期だろうから学校の心配はないが、休日にずっとパソコンと向かい合って動かない生活というのは心配なものがある。

 

 もっとも、前の遊馬も引きこもりだったが。

 

 「晩飯食べて・・・それからにするか。」

 

 と、席を立ったときはたと気が付いた。携帯も持っていない。

 

 「そうだよ、個人用アカウトはスマホの方で使ってるかもしれない。」

 

 呟イッターのアカウントは、1つのメールアドレスにつき1つ作れる。パソコン用のメールアドレスと、スマホ用のアドレスとで二つ作っている可能性はある。

 

 思い立ったが早いか、スマホを探すこととした。パッと見た限り部屋の中にはなさそうだ。となると、やることは一つ。

 

 「電話電話・・・。」

 

 家の固定電話からスマホに電話をかけて、着信音で見つける。さすがに世界が変わっても自分の携帯の番号は覚えている。機種変更したとしても番号まで変わるとは考えにくい。電池が切れていなければ。

 

 電話してピポパ、コール音が聞こえたところで即部屋に戻る。

 

 「どこだどこだ?」

 

 遊馬のことだから、きっと着信音は『おじょボク』のテーマソングか『タイムライダー』の主題歌のインストにしているハズ。耳を澄ませながらベッドの布団をひっぺがしたり、下を覗いてみたりする。

 

 「ない!」

 

 そして早々にこの部屋には無いと結論付けると別の部屋、キッチンを探してみることとする。

 

 「ふーん・・・・ない、か?」

 

 家の中には全然着信音が聞こえてこない。電話を鳴らし続けて10分以上経っているが一向に見つかる気配はない。このまま鳴らし続けていたら電話料金が気になるところだ。

 

 「家の中にない・・・まさか、外で落としたとか?」

 

 コール音がしているという事は、電池切れや壊れてはいないハズ。親切な誰かが拾ってくれていたかもしれない。とすると、10分以上無言電話でいるのはマズかろう。

 

 半ば慌てて放置していた受話器を取る。まあ、無言電話だったらとっくに切られていることだろう。

 

 「もしもし?」

 

 ところが電話は切れていなかった。だがコール音はしない。受話器からは環境音のようなものが聞こえてきている。

 

 「もしもし?」

 

 恐る恐る、遊馬は電話の向こうへ声をかけた。

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