ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「ところで、僕のスマホは?」
「え?あ、ああ。これやで。」
「ありがと。中身見た?」
「見てへんで、ロックかかってるし。」
「ロック・・・。」
たらり、と遊馬は背中に寒気が走った。まさか、暗証番号を知らないとロック解除できないとかないよね?
そして画面に表示されるのは3×3の点。パターン認証である。
「えーっと・・・とりあえずZとか試してみるか・・・。」
Z、N、四角、渦巻きなど、よく使われるだろうパターンを試してみるがどれもハズレだ。素早くスマホを開きたいのだから、あまり複雑なパターンにしているとは思えないのだが、セキュリティの観点から言えばデタラメにやって開かれても困る。
「うーん・・・。」
「・・・こう。」
凛世が横からちょちょいと指を動かすと、ロックが解除された。
「知ってたの?」
「まあな、いっつもすぐ隣で触ってたし。そら覚える。」
・・・じゃあ、実は中身も見てたんじゃ?まあ見られて困るようなものもあるまいて。
「えーっと、呟イッターは・・・。」
「呟イッターがどうしたん?」
「ここ数日の僕の記録が残ってないかなって。」
「なんや、そんなことか。ならウチが説明したるわ。」
「ここ一か月、動画の更新をしてなかったみたいだけど・・・。」
「せや。」
「なんで?」
話をまとめるとこうだ。つい1か月前頃から、栄養学部で作られた料理のレシピなどの紹介を、遊馬のチャンネルで行っていた。これに対して遊馬は特に大学側と契約を結んだり、お金のやり取りがあったわけではなかった。
しかし、1か月ちょうど経った時、料理レシピの著作権は大学側にあるのだから、遊馬の動画チャンネルで得られた広告料などをよこせとレシピを考案した学生が大学を介して言ってきたのだ。
「なんで栄養学部からそんな話が?」
「あんたも栄養学部なんやで。」
「あっ、そう。」
将来は料理人にでもなるつもりだったんだろうかこっちの遊馬は。
「なんでそんなの僕のチャンネルでやってるのさ?」
「あんたも二つ返事でやってたやん。」
「知らないです。」
「あんた、まさかホンマにトボケとるんちゃうやろな?」
「してないです。マジで知らない。」
どうやら、話はもっとややこしいようだ。お金が関わる話なら、間違いなくあらかじめ契約の話をしておくべきであった。すさまじく迂闊なんだなこっちの遊馬は。
「それで、大学が問題を大きくしたくないから示談でなんとかせえと。」
「それで、昨日は荒れてたと。」
「せやで、酔いつぶれたあんたを連れて帰るのにどんだけ苦労したか。」
「ありがとうございます・・・。」
ともかく、暫定この凛世は味方という事でいいんだろうか。