ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第208話

 さて、メシも済んだところで。

 

 「ほんじゃ、ウチそろそろ帰るわ。」

 「ああ、今日はありがとう・・・送っていこうか?」

 「ええで、遊馬も色々疲れとるやろうし。」

 「でも、もう暗くなっちゃったし。1人だと心配だよ。」

 「けど、ウチが家まで帰ったら遊馬が一人で家に帰れるかどうか・・・。」

 「そこまで忘れてないよ。」

 

 事実、遊馬は記憶喪失なんかしてないわけだし。

 

 「じゃあ、明日は大学行こか。」

 「うん、明日?」

 「明日一回ゼミに顔見せに行こうよ。そしたらなんか思い出すかも。」

 「ただでさえギクシャクしてるのに火薬を放り込む?」

 「荒療治や荒療治。」

 「患者虐待ともいう。」 

 「でも、だからってじーっとしててもどうにもならんやろ?」

 「うーん・・・。」

 

 まあ家の中にヒントがあるとは思えない。大学にあるとも思えないが。

 

 「ありがと、ここでいいや。」

 「そう、じゃあまた明日。」

 「うん、また明日・・・。」

 

 せっかく凛世が誘ってくれたんだから、外に出てみてもいいだろう。

 

 (しかし、金銭トラブルか・・・一体いくらぐらい?)

 

 1か月前に動画を上げ始めて、その分の広告収入をよこせと。しかもわざわざ大学を通して言ってきてるというのがなお面倒くさい。

 

 1か月の広告収入なら、20万円ぐらい?じゃあ12か月で240万円か。マジメ君だというこの世界の遊馬なら、きっと税金もちゃんと納めいたはず。そんな苦労も知らないで、甘い汁だけ啜りたいつもりなんだろうか。

 

 広告収入の半分が妥当か。なら240万円の内の24分の1を公衆の面前でバラまいて『拾え貧乏人ども』をしてやってもいいわけだ。というそれで示談にしてもいい。

 

 で、この世界の遊馬がそうしていないっていうことは、もtっとへそ曲がりなやつなのか、そんなハシタ金も渡したくないほどクズ野郎の集まりなのか、それとも『もっと別な理由』があるのか。

 

 「・・・仲間が欲しいな、絶対に裏切らない仲間が。」

 

 仲間、ゲーム世界の仲間たちとは、突然呼び寄せられてなあなあな成り行きとはいえ、腹を割って話せたから仲間になれた。ネプチューンのみんなは、利用価値があるからとはいえ僕の事を信頼してくれていた。

 

 「凛世か・・・。」

 

 頼みの綱は彼女1人か。ともかく、今は彼女の言うことに従おう。そこの彼女を見送って、家路についた遊馬は、俯いたまま玄関を開けた。

 

 先ほどまでそこに自分以外の人間がいた名残を鼻で感じながら、自室へと向かう。

 

 「ん?この箱は?」

 

 その時、玄関横に置かれた小包が目に入った。その場で開封して中身を確認した遊馬は、少し考えを改める。

 

 「マイクロカメラに、ボイスレコーダー?」

 

 自分の知らない、自分宛への荷物。少し前の自分が何を考えていたのか、それを考える必要がありそうだ。

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