ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第212話

 『遊馬ー!』

 「ああ・・・。」

 『なんや、起きとんのやったらはよ出んかい。』

 「・・・頭が滅茶苦茶痛い。」

 『昨日の今日で風邪か?』

 「・・・昨夜飲み過ぎた。」

 『またかいな。』

 

 昨日・・・いや数分前に何とか『Tower on the sand』をクリアし、即配信を終了してベッドインした。で、今はスマホ越しに凛世と会話しているわけだ。

 

 『んもー!今日ゼミ行く言うたやろ!』

 「今日は休むよ。」

 『この引きこもりー!』

 

 どうやらこっちの世界でも引きこもりの素質を発揮してしまったようだ。ムワッとサウナのような温度と不快指数の部屋に籠っていたらそのうち死にそうだが、こうして蘇生させてくれる人がいるならっまあ安心だ。

 

 「というか、今は夏休み中だろ時期的に考えて。」

 『それはそうやけど、課題はあるんやで?』

 「課題?卒業論文?」

 『せやで。』

 

 あーそうか、論文のことで人質を取られてるのか。まあ10万円で卒論が買えると思えば安いのかもしれない。

 

 「まあ、今日はダメだわ。二日酔いで話にもならないし。」

 『・・・まあ、わかったわ。今部屋におるんやな?」

 「おるよ。何、今家の前まで来てる?」

 『せやで。』

 「あー、そう。うん、まあ、あがっていきなよ。」

 

 時計の針は3時を指している。朝飯どころか昼飯も食べていなかった胃がキュウと鳴く。

 

 階段を下りて、玄関を開ければ昨日のパンツルックとは違うロングスカートを穿いた凛世がいた。

 

 「おはよー。」

 「おはようやないで。酒臭っ。」

 「あー、何本開けたんだっけな・・・。」

 「肝臓壊すでホンマに・・・。」

 

 とりあえず顔を洗ってくる。鏡の中にはひどい隈の遊馬がいた。ヒゲは昨日剃ったしいらないか。」

 

 「うぅ・・・腹減った・・・。」

 

 腹の虫と何を食うか相談を試みるが、なんでもいいから食わせろというのが胃袋の見解だった。アルコールで胃が荒れているので出来れば優しいものがいい。うどんとか。

 

 「ほい、きつねうどん。」

 「おお、ありがたい。」

 「きつねさんパワーで心まで温まるんやで!」

 

 と、顔を洗っているうちに凛世が用意してくれていた。しかし冷蔵庫にうどんなんて入っていたか。

 

 「どうせ朝まで起きてるやろうなと思って買ってきたんや。」

 「ほぇー、いただきます。」

 「そしたらまさか昼まで起きてたなんて思わんわ。」

 「それはすまない。」

 

 昆布と薄口しょうゆを使った関西風ダシのうまみがじんわりと胃にまで染みていく。ふぅふぅと掻きこむように喰らう。油揚げをどのタイミングで口にするかも人それぞれであろうが、遊馬はシメに食べるタイプだ。

 

 「それで、昨日はなにやっとったん?」

 「ん?夜通しゲーム配信してた。顔出しで。」

 「顔出し?」

 「なんか、一昨日酒に酔った勢いで顔出し配信してたらしいから、別に解禁してもいいかなって。」

 「えーっと・・・それってつまり・・・料理チャンネルとのつながりも?」

 「遠からず特定されそうかな。」

 「アホかー!!」

 

 なんでこんなに怒ってるんだ?と思いつつ、油揚げを飲み込んだ。

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