ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第216話

 「よし、次は凛世にチャレンジしてもらおう。」

 「なんや突然。」

 

 腹も満たされ、心も体も温まったところで遊馬は話を切り出す。

 

 「凛世も一緒に配信デビューしよう!絶対人気出るよ!」

 「いやいやウチまで個人情報晒したないで?ただでさえ料理動画でも映らんようヒヤヒヤしとるのに!」

 「ひとつ気になったんだけど、動画編集とかは誰がやってるの?」

 「遊馬。」

 「撮影で実際に作るのは?」

 「遊馬。」

 「凛世なーんもやっとらんやないか。」

 「ちゃうわ、その代わりレシピとか考えとるんや!」

 

 実際さっきのオムレツはおいしかったが、そのままでは動画に使えない。だから撮影の時に見栄えよくするために遊馬が手直ししていたんだろう。

 

 「だからこっちのワガママも聞いておくれよ。一緒に遊んでくれないとまた夜更かしするぞ!絶対大学には行かんぞ!」

 「どういう脅迫や!まあ、百歩譲って一緒に遊ぶんはええけど・・・顔出し配信はせえへんで?」

 「その点は大丈夫、妥協点を摺り寄せるから。」

 

 数十分後・・・。

 

 「はいどーも、今晩も顔出し配信するよ!今日はアッシーのリンちゃんがいまーす。」

 「アッシーって何年前の人間やねん!」

 

 遊馬の部屋のパソコンの前に並んだ凛世は、ハンドルネームという体で『リン』と名乗り、奇妙なお面を着けている。

 

 《お前ノンケかよぉ!》

 《結婚したのか?俺以外のやつと!》

 《誰?》

 《チャースの仮面www》

 

 『チャースの仮面』とは、『ラッピーとアクアラビリンス』に登場する呪いのアイテムだ。摩訶不思議な水蜘蛛の魔人・チャースの顔をかたどり、その力を宿した仮面が物語のキーとなるのだが・・・もちろん凛世が被っているのはそのレプリカ、初回購入特典でついてきたものの未開封だったファングッズがこうして有効活用されているというわけだ。

 

 「ということで今日はコレ、『月ウサギのラッピー スイーツバスケット』だ!」

 

 《一人用じゃないか。》 

 《一人用のゲームでかぁ?》

 

 「ちがわい、ちゃんと2人用モードがあるっつの。」

 「でもウチやったことないで?」

 「大丈夫、タイミングよくボタンを押すだけだから。」

 

 うずたかく積まれたゲーム機、ゲームトロフィーの最初の拡張版『スーパートロフィー』専用ソフト。2人プレイも出来るメインモード以外の、あまり誰もやらないミニゲームをやる。

 

 「ほら!そこでボタン!」

 「こう?やた!おっしゃー!!」

 「おーし、次から本気出すからな・・・。」

 「えー、もうちょっと接待してーさ?」

 

 酒もお菓子も用意していなかったけど、その夜は楽しい時間を過ごせた。

 

 (そういえば・・・シェリルやセシルは大丈夫かな・・・。)

 

 ふと、遊馬はかつて同じように人と楽しんでいた時の事を思い出した。あの時は、遊馬の方が教えられる立場だったけれど。

 

 「おっしゃー、またウチの勝ちー!」

 「あっ、しまった、素でやってしまった。」

 

 《リンちゃんスジいいね。》

 《ASMにはもったいない。》

 

 忘れつつあったけど、遊馬は自分の元居た世界に戻れるのか。一抹の不安をもみ消すように今はただ楽しんでいた。

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