ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「くっ・・・なんとかなった・・・のか?」
ドサッと何もない地面に仰向けに倒れ込む。10m先と見えない霧の先に、まだアイツが潜んでいるのかと考えるとぞっとしない。
「あ、遊馬・・・?」
「凛世・・・なんというか、助かった。」
直接アシストをしてくれたわけではなかったが、それでも凛世の存在のおかげで助かった。恐る恐ると近づいてくる気配を耳で感じる。
「遊馬、肩・・・。」
「ああ、刺された・・・手当てできるものがないかな。」
「バンドエイゾやったらあるんやけど・・・。」
絆創膏程度の大きさでは塞ぐのは難しいだろう。もっと大きな包帯か何かが必要になる。カバンの中に何か使えるものが残っていないものか。地面に投げ出していた体を起こすが、嫌に重い。血を流し過ぎたのか?と傷口を確認する。
「あれ・・・?血、出てない?」
肩に手を当ててみるが、赤いものはつかない。それどころか、痛みはたしかにあるのに傷のような手触りが無い。
「遊馬、ハンカチ使う?」
「どうなってんだ?」
上着を脱いで確かめてみるが、やはり何もない。
代わりにあったのは、文字通り針で刺したような小さな穴。まるで虫にでも噛まれたかのような小さな点だった。どう見ても服に空いた穴の大きさと釣り合わない。
「凛世、絆創膏の方を頂戴。」
「わかった・・・なんやったん、今の?」
「僕にもわからないよ。」
血が出ているわけでもないが、一応絆創膏を貼って様子を見る。凛世の問いかけにもぼんやりとしか答えられない。遊馬の記憶、知識の中にはあんなクリーチャーはいない。
「凛世は、ああいうクリーチャーって見たことない?その、ゲームとかで。」
「わからんわ。ウチ、ホラゲーはあかんから。」
「そうか・・・。」
今の遊馬が知らないゲームが、17歳以降に発売されていたのかもしれない。そんな可能性が無きにしも非ずだが凛世も知らないとなるとやはりお手上げ・・・。
「ゲームだったらルールがあるはずだ。」
「これゲームなん?」
一般的なアクションゲームならいざ知らず、ホラーゲームであれば敵を回避する手段が必ず用意されているはずだ。特に敵が強い、プレイヤーが弱いなどのバランスがなされている場合顕著だ。デッドソイルのゼバブの場合も、光に反応するという性質があったように。
まず思い当たるのはこのおかしな霧。霧の中から怪物が現れる、というシチュエーションは定番だ。実際クリーチャーは霧の中へと消えていった・・・。
「いや、こんなに濃い霧なんだから距離を撮ればもう霧に紛れたようにしか見えないわな。」
「なんのこっちゃ?」
1人ぶつぶつと呟き始めた遊馬に、凛世は肩をすくめた。