ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第227話

 「他に何か・・・あっこれがあったか。」

 「何それ?」

 「んー、カメラ。」

 

 カバンに入って邪魔にならないサイズのコンパクトなカメラだが、このままでは本来の役割を果たせぬまま果ててしまいそうだが。

 

 「撮ってるん?」

 「うん、なかなか画質はいいよ。」

 「そんなちっさいのに・・・盗撮でもするん?」

 「しない!とは言い切れない・・・。」

 「イヤや・・・ウチのことそんな風に見とったん?」

 

 見てないわい。と言ったところで録画データを確認してみる。最初にほんの数秒のテスト録画があるのと、今さっき映した録画。

 

 「ん?これはいつ撮ったやつだろう?」

 

 真ん中には少し長めの録画データがある。試しにカーソルを合わせてみるが、真っ暗で何も映っていないように見えた。再生してみてもブーっという低音が断続的に流れているだけだった。

 

 「これは・・・。」

 「運転中ちゃうん?」

 「そうっぽいね。」

 

 遠くにかすかに人の話し声が聞こえる。どうやら何かの拍子にカバンの中でスイッチが入ってしまったようだ。事故の瞬間の何かが映っていないものかとも思ったが、カバンの蓋はしっかり閉じられていたので何かが映るような気配もなく、ただただ真っ暗なモニターがあるだけだった。

 

 と、そうこうしているうちに環境音の質が変わった。どうやら、トンネルに入ったらしい。ここからしばらくすると、問題のシーンに突入する。

 

 「うん?何の音だ?」

 

 トンネルの中盤というところだろうか、録画にノイズが混じってきていた。ザー・・・という砂嵐のような音がだんだん大きくなっていっていたかと思うと、瞬間割り入ってきた高音に耳を塞がせられる。

 

 「うげっ、嫌な音。」

 「僕達の耳では聞き取れなかった音を拾っていたのか?」

 

 おそらく、この音の境目をくぐったあたりで何かが狂ったのかもしれない。それとも目に見えない何かとすれ違っていたのか・・・。

 

 それからしばらくして、鈍い衝突音が聞こえたかと思うと、ガタンガタンとどこかにぶつかりまくってから録画も止まった。

 

 「音か・・・。」

 

 音と言えば、ボイスレコーダーも持っていた。こっちの方はスイッチが入っていなかったので、何も録音されていない。

 

 「まあ、そろそろ行こうか。」

 「せやね、十分休めたし。」

 

 まだまだ先は長そうだ。気を取り直して歩を進める。

 

 「そうだ、どうせなら録画しながら進んでみるか。」

 「なんで?」

 「何か変なものが映るかもしれないから。」

 

 こんなことなら普通のハンディカメラにしておけばよかったと思う。ともかく、遊馬は周りの風景を撮影しはじめた。

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