ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第233話

 さて、河岸には森ではないが背の高い草の生えた平野が広がっている。霧も相まってよく見通せない。一方空には光の点が見え、そこが高速道路の高架だとわかる。どちらへ行くか。

 

 「今はとりあえず休みたい・・・。」

 「わかるわ・・・。」

 

 なんだか日が傾いてきたようにも見える。そうでなくとも元から日の差しにくい場所ということもあって、肌寒い。そこへさらに水濡れのコンボとあっては風邪を引くのも時間の問題だった。

 

 「おっ、あれ家かな?」

 「ホンマや。」

 

 ガサガサと草むらの中を分け入っていくと、土手の上に青い屋根の建物が姿を見せた。一抹の希望を胸に近づいていくと、それは脆くも崩れ去ってしまったが。

 

 「廃墟か・・・。」

 「めっちゃ荒れとるな。」

 

 玄関を叩こうにも玄関にドアがない。蝶番から外れた板きれがその辺に転がっており、ひどく朽ち果てている。

 

 「誰かいませんかー?!」

 「おらんやろ。」

 

 一応声をかけてみるが返答はない。あったらあったで困るが。

 

 「お邪魔します・・・と。」

 「中も荒れ放題やな。」

 

 土足で床に上がるのもすごい失礼だが、その床も土で汚れている。壁にも土の線が出来ていることから、大雨などで増水したときにこの高さにまで水が来たのだと理解できる。もっとも、それより前にここは空き家になっていたのだろうけど。

 

 「今日はもう日が暮れそうだし。ここで一泊させてもらおう。」

 「うーん、でも野宿するよりはマシか。」

 

 雨風がしのげるだけまだマシというもの。今から別の場所を見つけるのは難しいと判断した。

 

 「遊馬、足は?」

 「あまり見たくないけど・・・。」

 

 そうしてようやっと足の様子を見れる。一体何が起こっているのか。日の差す窓際に寄って腰かける。

 

 「これは・・・。」

 「穴?」

 

 それがどうだろう、足が消えていた、というよりもふくらはぎにソフトボール大の大きな穴が開いているのだ。それも出血もなく、真球のような丸い穴がくりぬかれるように開いている。

 

 そして不思議なことに、穴が開いているのに普通に歩くことが出来るし、出来ていた。体重がかかれば物理的に折れるだろうし、血管が通じていなければその先が壊死している。

 

 それに、遊馬にはこの丸い傷口に見覚えがあった。あのクリーチャーに貪られていた車の運転手の死に方。穴の内側を指でなぞる感触が、それと同じものだと伝えてくる。

 

 「遊馬、痛くないん?」

 「今は痛くない、刺された時は痛かったけど・・・。」

 

 その穴の中を触ってみてひとつわかったことがあるとすれば、それはまるで自分の体の一部ではないかのような感触ということ。指で擦られる感覚がまるでない。本当に石化してしまったかのようだ。この穴、塞がるんだろうか?

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