ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
とりあえず、服を乾かそう。その辺に吊るせるような場所はあるが、体を温めるにも火があった方がもっといい。
「火って、どうやって起こすの?」
「なにか使える道具が無いかな。」
廃墟の中を少し歩いてみると、家財道具が放置されていることがわかった。タンスの中には、カビが生えてボロボロになった服なども残されていることから、本当に何もかも残して家主はどこかへ行ってしまったことが窺えた。
「さすがにカビた服は着られないかな。」
「ウチはイヤやで?」
「この毛布は比較的綺麗かな。」
座敷の押し入れから布団が見つかった。台所には火が起こせるものがないかと探る。
「ライター・・・でもガスが残ってないな。」
「でも火花は飛ぶんとちゃう?」
「そうか、なにか燃やせるものがあれば・・・。」
ボロボロの布なら簡単に火が付くだろう。が、さすがに家の中で試すわけにはいかない。それは外でやろう。
ジョリジョリとライターの歯車を回すと黄色い火花が飛び散り、それを薄い布に振りかける。
「うおー!点けー!」
「うわー!点いたー!」
無事に布切れに火が灯った。が、このままではすぐに布を燃やし尽くしてしまうので、もっと別な燃料に火を移さなければ。
「もちろん用意しておいたで。」
「さすが凛世、ナイスフォローだ。」
凛世があらかじめ枯草の山を用意してくれていた。料理動画のアシスタントの面目躍如といったところ。枯草の次は薪だ。
「薪が足りるかな?」
「最悪、その辺の椅子を壊させてもらおう。」
拾ってきた薪にも火がともり、温かな空気が出来上がった。
「ふぅ、これでなんとかなったな。」
「お疲れ様。」
パチパチと小気味よく焚火が燃える音に、少しの安息感を得られた。あとは食料の問題だ。
「台所に包丁と鍋はあったけど。」
「食材が無い。ちょっと探すか。」
水は河から汲んで鍋で沸かせばまあ飲めるだろうが、他に何か食べられるものを調達してこなくては。離れてみて都会の便利さがわかるというものが田舎ではよくあるが、ここはちょっと離れ過ぎだ。
「うーん・・・魚でもと思ったけど、見えないな。」
「どうする?」
「・・・あっ。」
見つけた。というか見つけてしまった。あまり時間もないし、他に手段もないので文句は言っていられない。
「何見つけたん?」
「カエル。」
「カエル?!」
ヴオーヴオーと割と大きな声で鳴いていたは、案外簡単に捕まった。かなり大きな体のそれは、おそらくウシガエルだおる。食用として日本に持ち込まれたが、食用ガエルの文化が根付かずに野生化したとか。皮を剥いで焼けばなんとか食べられるだろう。
「うぅ・・・でもカエルかぁ・・・。」
「食えるだけありがたいと思おうよ。」
「白魚のムニエルが懐かしい・・・。」
そういえば、そんなものも作っていたっけ。せめて魚が獲れれば忌避感もなかっただろうが、こればっかりは不運だと思ってあきらめてほしい。