ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「なんていうか、ありがとうな。」
「うん?」
皮と骨だけになったカエルを捨てて、遊馬と凛世は焚火を囲んで、上着とズボンだけを脱いで乾かしながら身を寄せ合っている。
「色々と助けてくれたし・・・あんな逞しかったんやな、遊馬。」
「まあ、これでも色々冒険してきたし。」
「ゲームの中で?」
「ゲームなんだろうか、リアルなんだろうか。」
今までは、結局なんだかんだ仲間たちに守られてばかりだったし。アシュリーにも最後は結局助けられた。その頼りの仲間とも連絡が取れない以上、遊馬自身が頑張るしかない。
ふと、空を見上げるが星は見えない。夜になっても霧が晴れないばかりか、明かりが何もない闇の世界。まるでこのあたりだけ、世の中から隔絶されてしまったかのようだ。
「この霧、晴れるんかな?」
「朝になるまでわからないな。」
と、言ったものの多分晴れることは無いなと遊馬は直感した。何か原因を突き止めないと、根本的な解決には至れないと思った。
この足の謎もそうだ。先ほど試しに火を近づけてみたが、やはり熱さもなにも感じない。
「いきなり足を焼きだしたからなにかと思ったで。」
問題はもう一つある。あのクリーチャーの舌に刺された場所がこんな空洞化するということは、最初に刺された肩の方も・・・。おそるおそる肩に張られた絆創膏を剥がす。
「穴が・・・。」
「拡がってる?」
針先の点だった傷口が、今は鉛筆大にまで拡がっている。そしてそれも丸くくりぬかれている。
「これはあれか、時間経過で拡がるってことか?」
単純な時間経過のせいなのか、それとも他に要素があるのか。穴を指でつつきながら思い耽る。
というか、このまま拡がっていったらどうなるんだろうか。足の穴もこのままでは足と太ももが両断されてしまうが・・・。水玉模様で見えなくなっているだけで、実際はそこに『ある』のかもしれないが。
「遊馬、このまま消えちゃうん?」
「そうならないと願いたい。」
すっ、と凛世は遊馬の傍に寄りそう。お互いに下着姿だがそこに恥じらいはない。凛世はもう見せるもの見せているし、遊馬はもっと刺激的な女性のものを見ているわけだし。
「なあ遊馬、寒ない?」
「寒いならもっと火にあたりなよ。」
「もう、ここは甘えに来るところやで?」
命の危機に瀕しているというのに、遊馬の頭はやけに冷静だった。この穴がやがて心臓や脳に達すれば・・・そうでなくとも、風船から空気が抜けていくように、存在そのものが消えてしまうのか。