ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第237話

 つつがなく夜が明け、日の光が霧の世界にも差し込んできた。

 

 「んー・・・すっきり!」

 「こっちはげっそり。」

 

 結局凛世がフルで寝て、遊馬は寝ずの番をしていた。

 

 「起こしてくれればよかったのに?」

 「起こしたよ!何回も!」

 

 本気で寝ている凛世は揺すっても起きなかった。

 

 「寝てる間に変な事とかしてへんやろな?」

 「それどころじゃなかったよ。変な声は聞こえてくるし、お腹は空くし。」

 「変な声?」

 「これ。」

 

 遊馬はボイスレコーダーを取り出して再生ボタンを押す。しばらくは無音の状態が続いていく。

 

 「・・・どれ?変な声。」

 「しっ。」

 

 河のせせらぎに混じって、雄叫びのようなものが聞こえる・・・ような気がする。

 

 「どう?」

 「・・・気のせいとちゃう?ただの地鳴りとか。」

 「ただの地鳴りってなんだ。地鳴りの時点でおかしいでしょ。」

 「いやぁ、この状況と比べたらおかしくはないんとちゃうん?」

 「この状況でさらに地鳴りが混ざるのがおかしいでしょ。」

 

 本当に偶然地鳴りが走ったのなら、それはどんな確率か。ひょっとしたらどこかで地滑りが起きたのかもしれない。

 

 「でも正直、そんな巨大な怪物がいるよりも偶然地滑りが起こったとかの方がよくない?」

 「僕は物事を真剣に考えるの。」

 「深刻の間違いやろ。」

 

 むしろ凛世が楽観的過ぎる。昨日までのあの怯えっぷりはどうしたんだと言いたい。

 

 「ひと眠りしたらなんか楽になったわ。」

 「その単純さがうらやましいよ。」

 「それほどでもー。焼けたで。」

 

 それはともかく朝飯だ。何の肉かは言わずもがな、ともかく空腹だった遊馬には最高のご馳走だった。

 

 もう少し捕まえてくれば、腹を完全に満たすことが出来たな・・・と思ってはたと気が付いた。

 

 昨日はあんなに聞こえてたはずなのに、今日はさっぱりカエルや虫の鳴き声が聞こえない。もう一度ボイスレコーダーを確認してみるが、そこにも音が乗っていないのだ。

 

 「つまり、どういうこと?」

 「つまり・・・虫やカエルは怯えて引っ込んでしまったっていうこと。」

 「だから?」

 「んもー、フィクションなら怪物が出てくるフラグじゃないか!」

 

 野生生物たちは、その野生のカンによって異常を察知して黙り込んでしまった。しかし人間はそのカンが薄れてしまい気づけない・・・という理屈なのだ。

 

 「だから考えすぎやって。それやったら、地震とか自然現象で隠れる可能性だってあるやん?」

 「まあ、確かに。」

 「そんなもしももしもって考えてたら、ホンマに化けて出るで。」

 

 嘘から出た実、言い続けてたら実現してしまう言霊というやつか。

 

 「くわばらくわばら言うてなかったことにして、ここから脱出することだけ考えようや。」

 「うーん・・・それもそうか。」

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