ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第238話

 まあ、ありもしない怪物の影におびえていても仕方がない。今日はなんとかして上の道路へ戻ろうと試みる。

 

 「アテは?」

 「陸橋があるなら、脚部から上がれる道があるかもしれない。それを探す。」

 

 階段なり梯子なり、とにかく上へ昇れる手段があるはずだ。高速道路なら山道を歩くよりかは安心だろう。

 

 「またあのクリーチャーが出てくると怖いけど。」

 「え、もう倒したんとちゃうん?」

 「絶対アレ一匹だけじゃないでしょ。」

 

 あの怪物が、一匹だけだとは考えられない。この霧の世界が広がっているのかはわからないが、数は未知数だと言っていい。

 

 「でも未知数ならゼロかもしれへんやん。」

 「それはまあそうだけど、それは宝くじの一等が当たる確率がゼロじゃないって言ってるような物だよ。」

 

 決してゼロではないが、それは空から落ちた一滴の水に偶然当たるよりも低いだろう。

 

 でも、あのクリーチャーの弱点は分かってる。やつは水に弱い。だから河沿いに移動しておけば少なくとも逃げ場は出来る。

 

 「河沿いにまっすぐ行けば、あのあたりの脚部につくだろう。異論はある?」

 「なーし。」

 「よしいくぞう。」

 

 忘れ物をするほども名残惜しさを感じるほども、ここには長くとどまってはいない。とっとと人間の香りのする場所へ行きたい。

 

 廃屋の中から見つけた、武器になりそうなバットを携えて霧中横断と行く。

 

 「そういえば、ウチら以外の人間もこの霧の中にはおるんかな?」

 「いるはいるんじゃないかな。昨日車は落ちてきてたし。」

 「じゃあ、自衛隊とか対処に出て来とるんかな?」

 「どうだろう、この霧がいつからあるのか。」

 

 映画『フォッグ』でも最終的に軍がすべての問題を解決するのだけれど、だとすると自衛隊の出番かもしれない。自衛隊の場合、国会での審議やらなんやらで軍隊ほどすぐに動いてはくれないのだろうけど。

 

 「というか、その映画の結末も断片的にしか知らないんだけど。」

 「ん?主人公は怪物に追い回されて、どんどん仲間が減っていくんやで。」

 「救いがないな。」

 

 その辺は遊馬も知っている。が、出来れば今はクリーチャーの情報が欲しい。

 

 「うーん・・・実は怖くってウチも断片的にしか見てへんねんな・・・。」

 「そうだろうと思った。」

 

 クリーチャーのデザインが一つしかないとは考え難い。ざっとゲームのタイプに当てはめても、陸上型、空中型、パワー型、エトセトラ・・・色々考えられる。

 

 そもそもゲームだとして、そのコンセプトが未だ見えない。敵との遭遇を避けるステルス?千切っては投げてなぎ倒すアクション?ここで武器が拾えたということは、後者に近いのか。

 

 「どうでもいいけど、現実でゾンビパニックが起こったらどこに逃げる?」

 「んー・・・、家に引きこもるかな。外怖いし。」

 「食料が無くなったらどうする?

 「遊馬にとってきてもらう。」

 「僕任せかよ。」

 「モチロン。」

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