ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第240話

 「はぁ・・・はぁ・・・これで、とうちゃーく!」

 「鍵が開いてない。」

 「じゃあ乗り越えよか。」

 「おっけー。」

 

 階段を登り切ったところで見えてきたのは、高速道路の本道で間違いない。だが、車が通る様子は見られない。

 

 「跳べる?」

 「大丈夫。」

 「車は・・・来ないか。」

 

 道路を渡るときは、右見て左見てまた右見て。だがしばらく待っても車は来ない。こういう時はどうするか。

 

 「歩くか。」

 「えー・・・。」

 「えーじゃない。」

 「もう疲れたで・・・。」

 

 それは遊馬も同じだった。ここまで一度クリーチャーを撃退した以外にほとんどイベントもなく、ただただ霧の中を歩くだけではつまらない。別にクリーチャーに遭いたいわけではないけど、これでは面白くないだけのゲームなのだ。

 

 「と言ってもここにいたってにっちもさっちもいかないし。」

 「どっち行くん?」

 「街の方に戻ろう。そっちの方が多分近い。」

 

 上手くいけば途中で車にも乗れるかもしれないし。後ろから轢かれないように端に寄って歩く。

 

 「あー・・・つまんない。」

 「僕も。」

 

 結局、靴裏へ返ってくる感触が変わっただけで、代わり映えしない状況が続いている。昨日は半日歩いたけど、今日はどれだけ進めるのか。

 

 「あっ、車ミッケ。」

 「ホンマ?」

 

 霧の向こうから赤いボディが見えた時、凛世の声が少しうわづったようだった。しかし、この道の真ん中で停まっているなんて怪しい。様子を見ながら近づいていく。

 

 「誰かいる?」

 「・・・おらんっぽいな。」

 

 ドアが開け放されており、中には誰もいない。

 

 「動くかな?」

 「・・・ダメだ、エンジンかからないや。」

 

 バッテリーが上がっているのか?とにかく差しっぱなしのキーを回してもなにも言わない。となると次はグランド・セフト・オート、車上荒らしタイムだ。

 

 「食べられる物とかあらへんかな。」

 「使えるもの使えるもの。」

 

 著しくモラルの欠如した行動だとはわかっているが、こんな状況だとなんでもいいから手に入れたくなる。

 

 車内に焚かれた芳香剤や、シートに敷かれたクッションなどから女性が乗っていたんだろうなとは推測できた。しかし、その持ち主は一体だおこへ行ったのか?

 

 車を捨てたのにはなにか理由があるはずだろう。クッションが大きくずれて外にはみ出ているからには、相当慌てて出たことだろう。

 

 「遊馬、見て。」

 「ん?」

 

 凛世の指さす先、街へと戻る道。そこにはまた車があった。それも一台や二台ではなく、何台も連なって渋滞したようになっている。そしてそれらすべてが無人である。

 

 「これだけ並んでると壮観だね。」

 「言ってる場合?」

 

 どのみち、この道では車で通ることは不可能だったろう。先頭まで行けばまた別かもしれないが、そこにはこの渋滞を作っている何かがあるはずだし、それはそれで気が思いやられる。

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