ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第246話

 「どう?なんかわかった?」

 「うん、どうやらやつらや、この霧も『フォッグ』の怪物で間違いないらしい。」

 

 ネットの波を軽くサーフィンして出た結論がそれ。今の状況、出てきたクリーチャーのデザイン、どれをとっても映画『フォッグ』のそれに近しいということがわかった。

 

 となると映画の結末こそがこの世界の結末となるのも必然。

 

 「映画はどうなるんやったっけ?」

 「映画では、軍隊が怪物をやっつけて終わる。小説だと、世界は霧に覆われて終わる。」

 「どっちなん?」

 「それがよくわからない。クリーチャーの特徴は小説版なんだけど、怪獣が出てくるのは映画だけなんだ。」

 「解釈違いっちゅーやつやな。」

 

 要するに、この世界はどっちの世界線なのかわからない。別にどっちの世界だろうと水が弱点ということが変わるわけでもなし、丸腰で相対したらもれなく死ぬことに変わりはない。が、世界の行く末ぐらいは予想しておきたい。

 

 ただ違うのは、映画にしろ小説にし『フォッグ』の舞台は元々アメリカだということぐらいか。劇中では銃もバンバン登場するし、街と街の距離感や緑の恐怖というものの感覚も異なる。

 

 「もう高速道路も山奥で遭難するんもイヤやで。」

 「そうだね。」

 

 幸運な事に遊馬と凛世はそこから生還出来た。貴重ながらも無駄な体験だった。

 

 「で、SNSの方はどうだった?」

 「あ、うん。今のところ他の地域で霧は出てないみたいやけど。」

 「霧イコール怪物の活動範囲だから、そこより外か霧の入ってこない屋内なら安全らしいけど、一体いつまで続くかを考えたらな。」

 

 今はまだ電気も水道も来ているが、それらもそのうち止まるかもしれない。特に『フォッグ』の描かれた1980年代と比べて、ネットによる情報収集の価値が段違いだ。インターネットが寸断されるというのは元引きこもりとしても絶望的だ。

 

 だから、そうなる前に、無駄に経験した無駄にはなりえない情報を発信しなければならない。

 

 「あの経験を無駄にしたくなければ、やっぱりこの映像をアップして、この危機を伝えないと。」

 「ここじゃ出来へんの?」

 「機材が心もとない。映像を編集するソフトもないし、やっぱり家に戻らないと。」

 

 須藤家にはマイクすらないちゃちいノートPCしかない。最低限ネットで情報を漁ることは出来たが、ここから発信することは難しい。

 

 「やっぱ家帰るしかないわ。」

 「もう行くん?」

 「日が暮れる前に家までたどり着きたい。」

 「そう・・・。」

 

 いそいそと準備する遊馬を凛世は心地悪そうに眺めていた。

 

 「なあ、そういえば傷のことはわかったん?」

 「ん?んん・・・。」

 「傷、広がってるんやろ?」

 

 ぽっ、と疑問を口にした。あえて触れていなかったのか、口をはさむ余裕が無かったのか、ともかく凛世は話題に挙げた。

 

 「どうやら、傷は霧に触れているとどんどん広がっていくらしい。」

 「傷が広がりきったらどうなるん?」

 「さあ。」

 

 ただ奇怪な傷として、怪物に刺された場所が球形にくりぬかれていくと表現したのかもしれない。原作者さんもそこまで考えてないのかも。

 

 ただ現実として消えていっている。これを止める方法が果たしてあるのか。無いのなら、なおのこと急がなければならない。

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