ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第248話

 「はい、ASMチャンネル配信はじめるよ!まずこちらの動画を見ていただきたい。」

 

 部屋に戻って、さっそく遊馬は配信を始めた。

 

 《生きとったかワレー!》

 《リンちゃんprpr》

 《新しいゲーム配信の告知?》

 《料理動画かな》

 

 「ちょっとショッキングなところも混じってるけどノーカットでいかせてもらう。昨日と今日に撮影されたものだ。」

 

 《新作映画の盗撮?》

 

 「違う。」

 

 クリーチャーとの遭遇や、怪獣とのカーチェイスなど、見ようによってはPOV方式、主観視点の映画にも見えただろう。遊馬も自分がいつ撮ったのかと言われるとカメラを回しっ放しにしていただけなのだが、それにしたってよく撮れていた。

 

 「これは昨日、東新高速、通称ルート87の近辺で撮影されたものです。」

 

 《うせやろ》

 《嘘だ、僕を騙そうとしている・・・!》

 《嘘を言うなッ!》

 

 「マジなんだよ。それだけじゃなくて、ここらへん一帯も同じような霧に覆われてる。見てよこれ。」

 

 Webカメラを一旦取り外して、窓の外の様子を映して見せる。このせいで家の場所も特定されそうだが、今は気にしない。

 

 《うわすごい霧》

 《驚きの白さ》

 《お前んちの天井低くね?》

 

 その間にも凛世にも気象情報を調べてもらっていたが、やはりここいら周辺だけの気象現象らしい。日本中のほかの地域から見ているリスナーからはやはり異常に見えているようだ。

 

 「で、この霧の中にはこんな怪物がいた。」

 

 ここで目を覆いたくなるような、怪物に襲われた者の成れの果てが映る。ショッキングな映像としてアカウントが凍結されるかもしれないが、そんなこと言ってられない。

 

 「後でこの動画だけでもアップするけど、この危機を拡散してほしい。あとやつらは水に弱いから水を常備しておいて。」

 

 と、単純な注意喚起のつもりだったのだが、妙な形で受け止められてしまったらしい。

 

 《おっしゃ水と食料買い占めしてくる》

 《笹食ってる場合じゃねえ!!》

 

 「これ不要な恐怖や買い占めを煽ったりしてへん?」

 「うーん、そんなつもりはなかったんだけど。」

 

 しまった、と遊馬は思った。けど他に方法もないし、事実として危機が迫っているのだ。何の力も持たない遊馬に出来ることといえばこれぐらいしかない。

 

 少なくとも、脅威の存在をあらかじめ発信することはできたという点では目的は達成された。だがここでもう一歩何かがしたい。

 

 「SNSとかの情報はどう?」

 「ニュースで関東の一部に濃霧注意報が出てるで。」

 「注意どころか警報なんだけどなぁ。」

 

 ちょこちょこと凛世がそばで情報を集めていてくれている。

 

 「え、どう?関東以外の他の地域でも霧って出てる?」

 

 《ウチの近くはないよ》

 《ない》

 《東北だけど出てない》

 

 気象庁のホームページに行けば、もっと詳細な濃霧注意報のレーダー画像が得られた。どうやら今のところ関東近郊のほんの一部分だけにとどまっているらしい。

 

 「霧が山を越えられずに盆地にとどまっていくんやったら、このままやと関東平野の方に広がっていくんとちゃう?」

 「首都圏がにまで怪物が現れたら大変だぞ。」

 

 《リンちゃんあたまいい》

 《ヤバい》

 《ちょっと風呂貯めてくる》

 

 にわかに危機感が湧いてきた。ここからは体だけでなく頭を使う時間だ。

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