ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
さて、ひと段落はついたが次に考えることは何か。配信は続けながら頭を捻る。
「なんか、アイデアがあったら頂戴。」
三人寄れば文殊の知恵ともいう、素直にリスナーのみんなにも知恵を借りる。
《こっちのチャンネルでも同じような配信してるよ→httq…》
《こっちでも情報拡散してもらったら?》
なるほど。まあこんな稀な状況あったら配信のネタにするわな。
「呟イッターで写真上げてる人もおるで。」
「じゃあ、そっちでも動画の拡散をお願いしてみて。」
「おっけー。」
では遊馬の方も行動しよう。他の配信者にコンタクトをとり、動画を拡散してもらう。
「この動画を拡散してほしい・・・っと。」
まあこれでいいだろう。遊馬一人の通報では消防も警察も動いてはくれないだろう。本格的に人や社会を動かしたければ、まずはこうした草の根活動が必要になる。
《そんな大量に人間が消えてるなら動いてくれてもいいと思うけど》
《そうでなくてもこんな異常事態なら勝手に動いてくれてそう》
「正確に状況を把握してないと犠牲者が増えるだけだから・・・。」
濃霧はともかく、霧の中に怪物がいるなんて話をしたところで信じてくれるはずもなし。そんな与太話を信じてくれたらその職員さんは仕事を辞めるべきだろうし。
まあ、信じてもらえなくても一応通報はしておこう。それをするともれなく遊馬も車両窃盗の罪で捕まりそうだが、ここは緊急避難というやつで。
「ま、考えるのはほどほどにして晩御飯たべようや、ちょうど『二人分』あるで?」
「『二人前』ではないのか。」
先ほど須藤のお母さんに貰ったお弁当を凛世が持ってくる。けっこうな量だなと思っていたが、どうやら最初から二人分用意していたようだ。
腹が減っては戦は出来ぬ、色々やっていたらきゅうとお腹が鳴った。配信画面は開きっぱなしにしてコメントの反応を窺いつつ、休憩を取ろう。
「ほい、遊馬の分。」
「うん・・・なんかニンジン多くない?」
「気のせいやろ。」
「凛世の方はニンジン入ってないように見えるんだが。」
「気のせいやで。」
こいつ・・・と思いつつ箸をつける。電子レンジで温められ、湯気が立っており非常においしそうだった。
「でも、水に弱いんやったら雨が降っただけで全滅するんとちゃうん?」
《たし蟹》
「水で溶ける、っていうより霧になるって感じなんだよな。あ、そうそうリスナーで『フォッグ』って映画知ってる人いるかな?あの映画に近いみたいなんだよ。」
《あー、あの映画の怪物なんだ》
《あいつら霧から生まれるからな》
水に溶けて霧に代わるだけなら、雨が止んだらまた霧から出てくるということ。
「じゃあ、通報しただけじゃ根本的な解決にはならないか・・・。」
「『フォッグ』の霧が出てくる原因を知らんのやけど?」
《劇中で特に理由は説明はされてないんだよね》
《軍の実験とか、隕石が降ってきたとか、色々憶測は飛び交うんだけどね》
「ふーん・・・。」
となると、半抜きバグで次元の裂け目が発生したという説もありえるわけか。ますます自分たちが原因じゃないかと頭が痛くなる。