ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
それから2日経って、3日経った。
『濃霧は関東全域にまで広がっており、〇〇線、××線の運転が見合わせられております・・・。』
『決して一人では出歩かず、水を常備することを忘れないでください。』
世間は大きく変わっていた。ようやく世間もこの危機的状況に気付いたようだった。しかし気づいた時にはすでに遅し、あちこちで怪物に襲われたという話を頻繁に耳にするようになった。
『こちらのスーパーでは食料品、日用品がご覧の通りに何も残っておらず、再入荷も未定だということです・・・。』
『こちらの体育館では自衛隊による支援が行われており・・・。」
テレビに映る自衛隊員や、並んでランプを光らせる消防車両が物々しい雰囲気を醸し出している。自衛隊員の携えているものがファンシーなカラーリングをした水鉄砲だということに目をつぶれば。
「遊馬ー、またマスコミが来とるで?」
「マスコミはお断りだっての。」
そして遊馬の周りでも変化が起きていた。おそらく世界で初めて霧の真実を映した動画は、既に世界中で1億再生されており今や日本でその存在を知らない人はいないともいえるぐらいだった。
そしてその動画を上げた当人である遊馬の家にも、さらなるスクープを求めて連日マスコミが来ている。『マスコミお断り』の張り紙をしているが、意味がないようだ。もっとも、霧の危険性を認知しているためか屋外で長居はしないのが救いだが。
やはり、顔出し配信で身バレしたのがよくなかったか。これが本当の身から出た錆というやつだ。何か発信したければ、曲解もカットもせずにありのままでネットに上げるし、マスコミに頼る必要性が微塵もない。よって玄関前にいる連中は邪魔者でしかない。
「顔を出すなよ凛世。どうせすぐにいなくなる。」
「うん、でも今ちょうど食料調達に行こうかなって思ってたところやったし・・・。」
「面倒なタイミングで来やがったな。」
遊馬は内心で舌打ちした。今日のこの時間、自衛隊による食料配給の支援があったというのに。それを見越して家の前に集まってきたのならよくもやってくれたなというところだ。
缶詰やインスタントなど保存食はまだあるが、次の配給がいつになるかわからない以上、機会は逃したくない。さりとて玄関から出てマスコミに絡まれたくもない。
「しょうがない、僕一人で行ってくる。」
「大丈夫なん?」
「窓から出るし。カギはしっかり閉めておいて。」
目深のフードを被り、凛世に見送られながらこっそりと裏の窓から外に出る。レッドパーカーことトビーの事を思い出す。彼のように身軽とはいかず、塀の上からもたもたと降りる。
「戻ってくるころにはいなくなってるかな。」
ここから駅前まで歩いても2、30分とかからない。サッと行ってサッと帰ってこよう。