ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第254話

 さて途中怪物に出くわすこともなく、市民体育館で行われている配給所までやってきた。すでに多くの市民たちが列をなしており、遊馬もその最後尾に並ぶ。

 

 「1人につき一人分か・・・。」

 

 まあ当然か。さすがにスーパーのように2回並ぶ気にはならないので、大人しく今日のところは一人分だけ貰って帰ろう。

 

 キョロキョロと辺りを見回してみると、目に入ってくるのは赤くて大きな車両。大きな放水銃のついた消防車だ。並んでいる時間の間にスマホでその放水銃について調べてみる。

 

 「ふーん、結構色々種類があるんだな。」

 

 最大放水射程はおよそ40mあるという。怪物は水を被ればあっという間に溶けていくので、単純に一台だけでここにいる民衆全員を守れると思っていいだろう。敵が一体だけだという前提だが。

 

 霧で見通しが悪い中でも、あちこちで投光器を構えた消防や警察官が目を光らせている。非常に神経質そうにピリピリとしているようだ。

 

 他にも前時代的な松明が焚かれており、ひんやりとした空気を温めている。霧という性質上、炎も霧を晴らすのに有効な手段として働いているらしい。

 

 「次どうぞ。」

 「ありがとうございます・・・2人分は、もらえないですよね?」

 「ダメなんです。」

 「ですよね、ありがとう。」

 

 つつがなく配給を受け取ることが出来た。ペットボトルに入った飲料水に乾パンの缶詰などの食料、懐中電灯用の電池、ロウソク。1人だけなら2、3日分くらいはあるのかもしれない。

 

 (半分に分けるなら1日分だけど。)

 

 それらをまとめた袋の中身を確認すると、いそいそと背負ってきたリュックサックの中に押し込む。

 

 食料はともかく、水や明かりについては今のところ問題もないし、そこまで逼迫しているわけでもない・・・スーパーやコンビニから食料品が消えているという事態が現に起こっている以上、そうでもないか。が、ともかくライフラインは生きていることもあってか、大きな騒ぎなどは今のところ耳にしていない。

 

 「ここで街の皆さんにインタビューしてみたいと思います。ちょっとすいません。」

 「あっ、すいません。急いでいるので。」

 

 おっと、街角インタビューのエントリーだ、捕まったら時間を取られる。しかし遊馬これを完全にスルー。インタビュアーも遊馬のすぐ後ろにいた人に声をかける。

 

 そういえば、テレビ局のカメラマンやレポーターを操作するゲームもあったな。あれも霧がテーマの一つだったな・・・クソゲーというか微妙ゲーだったけど。

 

 (帰ったら何かゲームでもしようか。)

 

 帰り道、時々向こうからやってくる影に気を張りつめ、それが人間だとわかると胸を撫でおろしながら、遊馬はこれからをのんきに夢想する。

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