ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第257話

 「ではリン、このカセットをセットするんだ。」

 「オッケー・・・どこに?」

 「一番上に差せばオッケー。」

 「ここね。」

 

 手元のコントローラーのケーブルの繋がっている先、うずたかく積まれたゲーム機『トロフィー』にビッグファーザーのカセットを凛世が差す。

 

 「これなんでこんなデカいん?」

 「これ一機であらゆるハードのゲームが出来るなら安いもんだと思うよ。配線繋ぎなおす必要ないし。」

 

 オタクに『必要最低限』って言葉はない。あればあるほど必要になるし、部屋のスペースをどんどん占領していくのだ。

 

 たしかこの『トロフィー』は遊馬が物心つく前から置いてあったような気がする。実際生まれて初めてプレイしたゲームもこれを使ってたし。すごくかさばるという点に目をつぶれば、20年以上現役なのだと考えると費用対効果はすごいだろう。

 

 「ま、それはさておき電源を入れるのだ。声高らかに。」

 「なんかセリフがあった方がええん?」

 「まあ、配信だし。」

 「そう?じゃあ、えっと・・・リンちゃんすいっち、おん!」

 

 《かわいい》

 《すでにかわいい》

 

 カチッという耳に心地よい音がすると、すぐに画面に製作会社のアイコンが表示される。

 

 「最初の『IPPENDO』はわかるけど、他の会社は見たことないアイコンやな。」

 「全部社名を変えて『イッペンドー』の傘下に入ってるよ。」

 「へー。」

 

 『イッペンドー』は関西に本社を置く日本の大手ゲーム会社だ。ゲームに疎い凛世でも知っているぐらい有名と言えば、その影響力の強さがわかるだろう。老若男女問わずとっつきやすいゲームデザインの傾向から、とりあえず『いっぺんどう?』とオススメしやすいゲームが多い。

 

 「ふーん。」

 「興味なさそうだね。」 

 「ない。とりあえずいっぺんやってみればええんやろ?」

 「それでいい、ゲームの楽しみ方は人それぞれで・・・。」

 「ちょっと黙ってて。」

 「はい。」

 

 すっと凛世の目が細く・・・といっても顔を隠すためのお面を被ったままだが、とにかく真剣なまなざしを画面に向けた。

 

 「というか、そのお面まだしてるの?」

 「顔バレしたないし。」

 「あの動画でもう顔映ってたから意味ないと思うんだけど。」

 

 《顔出さなきゃ顔出し配信の意味なくない?》

 《みたーいーみたーいーリンちゃんのご尊顔みたーいー》

 

 まあ、無理強いはよくない。顔を隠しておきたいというのもわかる。けど本当に凛世の顔は世界中に拡散されている。

 

 「まだワンチャン ウチとは別人やって思われる可能性もあるやろ?!」

 「もう語るに落ちてるよ。」

 

 自分で白状してしまっているのに気付いているのかいないのか、とにかく凛世はお面を外さない。

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