ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「まずは名前だな。」
「元の名前でいっか。」
「まてーい、ちょっとは考えない?」
「別に名前で何か変わるわけでもないやろ?」
「まあそうだけど、せっかく見てもらうんだから変わった名前つけるとかない?」
「じゃあ・・・ポチとか?」
「犬か。犬は別にいるからそれにつけてくれればよろし。」
《まあまあ、リンちゃんのプレイだし、別に自由でよくない?》
《リンちゃんのプレイ・・・ゴクリ》
言われてみればそれもそうか。ある程度は凛世に自由にやらせても構わない。
「じゃあ名前はデフォルトでいく?」
「うーん、でも遊馬が言うんやったらなんか名前つけてもええかな・・・。」
「時間かかりそうだな。」
この時代のゲームでは名前を変えられるぐらいしかなかったが、最近ここ10数年のゲームならばプレイヤーキャラクターの見た目や職業まで選べるから、時間がかかってしょうがない。
「じゃあ主人公は『リン』でヒロインが『アスマ』で。」
「そこは逆じゃないのか。」
「プレイヤーはウチやし。」
《悲報:ASMさん去勢される》
《女の子になっちゃ~う!》
なにはともあれゲームは始まった。物々しい字幕と共に、プロローグが開始する。
『来たる世紀末、199X年。』
かつて告げられた予言の通りに、宇宙から恐怖の大王がやってきた。その正体は、地球を新たな密造酒の製造所にしようとするスペースギャングの企みだった。
「やることちっちゃない?」
「宇宙規模で見ればね。けど地球人の目線で言えば紛れもない侵略なんだよ。」
「あっ、アスマがさらわれた。」
「なんか変な気分。」
その宇宙的出会いは、少年を戦士に変えてしまうほどのものだった。戦士が宇宙ギャングに入るところから、この物語は始まる。
「もう10年後くらいかな。」
「そうだね。10年経っても世紀末なんだけど。」
《さあなんのジョブから取るかな》
プロローグを終えてすぐ、主人公の家から始まる。まずは情報収集、NPCとの会話が始まりと相場が決まっているところだ。
「外出てみよ。」
《まさかのスルー》
《武器貰ってないやん》
「え、武器あったん?」
「割と目立つところに置いてあったんだけどなぁ。」
ああ、このゲームに馴れていない感触、新鮮だ。このビッグファーザーは遊馬も何週もプレイしたものだが、それでも最初の武器をとることを忘れたことは無い。
「あ、このバット?」
《よかった、気づいた》
リンは『ボロのバット』を手に入れた。プロローグでは『新品のバット』だったものだ。こういうところから情緒を感じさせられる。
「包丁とかの方がよくない?」
「全年齢向けゲームで包丁はちょっと。」
「バットはOKで包丁があかん理由がわからんのやけど。」
そこにツッコむとは。やはり凛世にやらせて正解だったかもしれない。