ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第261話

 さて、そんなこんなで日を跨ぐまでプレイし続けていた。第五の街に到達し、回復もセーブも済ませ、装備を一新した。行けるロケーションが増えるたびに遊馬が横から口出ししてくるのをほんほんと聞き流していた凛世は、ここで大きな欠伸をした。

 

 「ふー、ちょっと疲れたな。」

 「もう?まだまだこれから面白くなるのに。」

 「これ以上面白くなったらパンクするっちゅーの。」

 

 段階的には中盤に入ったというところだ。もう凛世も戦闘に馴れてきて、オートプレイを使わずとも死なずに勝てるようになってきている。序盤の山を越えたというところか。

 

 「オタノシミは明日にとっとこ。もう『今日』やけど。」

 

 《明日って今さ!》

 《オヤスミー》

 

 「うん、おやすみー。」

 「あ、本当に終わるんだ。」

 「うん、もうねむい。」

 「放送終了するときはここクリック。」

 「おっけー。」

 

 と、凛世の放送を凛世の手で終了させる。所定の場所をクリックするだけならもう凛世一人でも放送できるだろう。

 

 「えー、でも遊馬に言われへんと放送なんかせえへんでウチ?」

 「まあ、覚えておいてくれてれば僕が何かあった時も放送で伝えることはできるだろうし。」

 「何かあった時って?」

 「言わなくてもわかるでしょ。」

 

 こっちに死ぬつもりはさらさらないが、生憎死の方が近づいてくるのが今の世の中だ。そうでなくともある日トラックに轢かれてオダブツになってもおかしくないのが世の常。

 

 「遊馬死ぬん?」

 「死なない死なない。ただ、ちょっと思っただけ。」

 

 あー、そういえば自分が死んだ後の事考えてなかった。とりあえずPC内の秘蔵フォルダは消すようにお願いしないと。

 

 このゲームの棚もそうだ。これだけ揃ったゲームソフトの数々が、遊馬の死後ゴミとして廃品回収に出されてしまうのはもったいない。出来れば価値がわかる人に大事にしてもらいたいところ。

 

 「ならいっそ、価値がわかる人間を今作ってもいいわけだ。」

 「ウチ?」

 「そう、おもしろいでしょレトロゲームも。」

 

 この棚を一山いくらのガラクタとみるか、宝の山と見るか、それは経験や知識に裏打ちされた価値観による。凛世を自分好みに『教育』 するというのもまた一興。

 

 なんの脈絡もない思い付きで凛世に配信をさせたのが、なかなか面白い方向に転がってきたではないか。

 

 「つまりウチで遊んでんねんな。悪い男や。」

 「よいではないかよいではないか。さっ、今日はもう寝よう。」

 

 風呂はもう入ったし、歯磨きして、また明日だ。

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