ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第265話

 『The End』

 

 真っ黒な画面に、その英単語だけが映されている。

 

 「終わった・・・。」

 「終わったね。」

 

 状況が状況なだけに、やや駆け足気味にラストダンジョンを駆け抜けたが、無事にラスボスを倒すことが出来た。その後、世界を回ってからエンドロールに入って数分のことだった。

 

 「と、言う事で今回の配信はおしまい。」

 「見てくれてありがとう!」

 

 《乙~》

 《ようやったようやった》

 

 最後まで見てくれたリスナーにも感謝の言葉を述べる。

 

 「次の配信の予定は、残念ならが目途が立っていない。けど、次にプレイするゲームは決定している!」

 「え、決まっとるん?」

 「うむ!『ゴッドファーザー2』だ!」

 

 《まあそうなるわな》

 《2は正直んにゃぴ・・・》

 《けど3をやるからにはなぁ》

 

 「2も3もあるねんな。」

 「5まであるよ。」

 

 ナンバリングを重ねるごとにどんどん質が落ちていくということもままよくあることだが、ゴッドファーザーひいてはIPPENDO作品にはその心配はほぼない。

 

 「と、言う事で今宵はオサラバ!」

 「またなー。」

 

 《おつかれ!》

 《達者でな~》

 

 と、言ったところで今日の放送は終了。

 

 「・・・終わったな。」

 「終わったねえ。」

 

 遊馬の家の狭い部屋に、2人っきりが戻った。

 

 「これからどうすんの?」

 「・・・わかんね。」

 

 甘ったるくゆるやかな夢から覚めたような感覚だ。まだじーんと熱っぽさが残っているが、それもじきに冷めてくる。

 

 感覚が現実に戻ってくるにつれ、腹が減ってきたのを感じた。時間は深夜だが、外に出られない以上昼夜逆転状態にも違和感を覚えない。

 

 「夜食にしよっか。缶詰しかないけど。」

 「ウチ、シャワー浴びたい。」

 「電気も止まらないうちにね。」

 

 と、真っ暗なまま動かなくなった画面の電源を落とそうとする。と、ここでふと気が付いた。

 

 「あ、そういえばまだエピローグが残ってるんだったな。」

 「エピローグ?」

 「ただの2への布石だけど、見ておかないと。」

 

 既に期待されていた続編も発売されているが、こういうのは最後までやり切ってこそだ。もう一度凛世にコントローラーを握らせる。

 

 「えーっと・・・また電話に出ればええんか?」

 「そうそう。最初の再現なのだ。」

 

 我が家に帰ってきたリンは、プロローグでそうだったように、暗闇の中で鳴っている電話をとりにいく。

 

 『もしもし?』

 

 それにしても続編か。そういえばゲームをクリアすれば続編が生まれるというのが『あっち側』でのルールだったけど。

 

 『もしもーし!』

 

 「あれ、遊馬?」

 「なに?」

 「メッセージが送れへんねやけど?」

 「Aボタン。」

 「押してる。」

 

 ここにきてコントローラーが壊れたか?と遊馬は画面に視線を戻す。そこでまたはたと気が付いた。

 

 エピローグ、こんなメッセージだったっけ?もっと『まだ終わってない!』的なセリフだったと思ったんだけど・・・。

 

 『今度はどこにつながったんだ?』

 『わからない。反応はすごく小さい、というかどこから出てるんだろ?』

 『らぴ!』

 

 ヒヤリ、と遊馬の背筋に寒いものが走った。

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