ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第279話

 「まもなくオービタルリングに到着する。」

 

 現実世界のそれが破壊されてしまっているように、ゲーム世界のそれも半ば崩れかかっている。もっとも、その破壊されているようなビジュアルが描写されているだけで、それ以上破片が落下していくような様子もない。つまりは一枚絵の背景である。

 

 「まさかラストダンジョンがここになるなんてね。」

 

 『正確にはここじゃなくて、軌道エレベーターの先の先にある大クラックが原因みたいだけど。』

 

 「ようやくあそこに手を入れられるんだな。」

 「思えば、ずっと放置してたからね。」

 

 もはや懐かしいほどに以前の話、宇宙魔王バミューダがそこからやってきたのが始まりだった。半ばバグのようなそれは、次元同士を衝突させてしまう。

 

 思えば、それが遊馬たちの冒険の本当の始まりだったのかもしれない。思わぬ形で平行世界の存在を知り、現実でも遊馬は戦いに身を投じることになり・・・。

 

 「それでアスマ、最後のゲームは何を遊ぶんだい?」

 

 『よくぞ聞いてくれた最後のゲームは、『ハイパーロボットウォーズFX』だ!』

 

 「ハイパーロボットウォーズ?なんか聞いたことあるような。」

 

 『いろんなロボット作品がクロスオーバーするお祭りゲームだよ。カサブランカも出てる。』

 

 「前にそんなこと言ってましたわね。」

 

 『そ。それで、カサブランカが出てるのはこのFXだけだから。』

 

 ハイパーロボットウォーズシリーズ、それはファン胸熱の原作再現や、夢のクロスオーバーが醍醐味の、ロボットアニメファンには垂涎の一本。

 

 FXは、ゲームPODネクスで発売されたシリーズ最後の作品。戦闘アニメーションも洗練されながら、参戦作品も『スタッフの好きな作品よせあつめ』といった様相を呈している。界拓輝士カサブランカもそのうちの一つだろう。

 

 『これの最終章が、今の状況に似てるんだ。落ちてくるのはオービタルリングじゃなくてスペースコロニーだけど。』

 

 「コロニー?どっちも同じようなもんだろ。」

 

 『うん、さすがに何回も再現されると胸やけ起こすかな。』

 

 最近はロボットアニメ自体の人気が下火なせいか、ハイパーロボットウォーズ、略してハイロボシリーズ自体新作がとんと出ていない。そうでなくとも、もう再現するネタに困っているというところだ。件のスペースコロニーだって、もう5回は落とされている。全部回避しているが。

 

 『最近はスマホで遊べるソーシャルゲ-ムばっかりにかまけてて、コンシューマータイトルが全然出ないんだよねぇ。』

 

 「どうでもいいわ。」


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