ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「まもなくオービタルリングに到着する。」
現実世界のそれが破壊されてしまっているように、ゲーム世界のそれも半ば崩れかかっている。もっとも、その破壊されているようなビジュアルが描写されているだけで、それ以上破片が落下していくような様子もない。つまりは一枚絵の背景である。
「まさかラストダンジョンがここになるなんてね。」
『正確にはここじゃなくて、軌道エレベーターの先の先にある大クラックが原因みたいだけど。』
「ようやくあそこに手を入れられるんだな。」
「思えば、ずっと放置してたからね。」
もはや懐かしいほどに以前の話、宇宙魔王バミューダがそこからやってきたのが始まりだった。半ばバグのようなそれは、次元同士を衝突させてしまう。
思えば、それが遊馬たちの冒険の本当の始まりだったのかもしれない。思わぬ形で平行世界の存在を知り、現実でも遊馬は戦いに身を投じることになり・・・。
「それでアスマ、最後のゲームは何を遊ぶんだい?」
『よくぞ聞いてくれた最後のゲームは、『ハイパーロボットウォーズFX』だ!』
「ハイパーロボットウォーズ?なんか聞いたことあるような。」
『いろんなロボット作品がクロスオーバーするお祭りゲームだよ。カサブランカも出てる。』
「前にそんなこと言ってましたわね。」
『そ。それで、カサブランカが出てるのはこのFXだけだから。』
ハイパーロボットウォーズシリーズ、それはファン胸熱の原作再現や、夢のクロスオーバーが醍醐味の、ロボットアニメファンには垂涎の一本。
FXは、ゲームPODネクスで発売されたシリーズ最後の作品。戦闘アニメーションも洗練されながら、参戦作品も『スタッフの好きな作品よせあつめ』といった様相を呈している。界拓輝士カサブランカもそのうちの一つだろう。
『これの最終章が、今の状況に似てるんだ。落ちてくるのはオービタルリングじゃなくてスペースコロニーだけど。』
「コロニー?どっちも同じようなもんだろ。」
『うん、さすがに何回も再現されると胸やけ起こすかな。』
最近はロボットアニメ自体の人気が下火なせいか、ハイパーロボットウォーズ、略してハイロボシリーズ自体新作がとんと出ていない。そうでなくとも、もう再現するネタに困っているというところだ。件のスペースコロニーだって、もう5回は落とされている。全部回避しているが。
『最近はスマホで遊べるソーシャルゲ-ムばっかりにかまけてて、コンシューマータイトルが全然出ないんだよねぇ。』
「どうでもいいわ。」