ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
衛星軌道を抜け、大クラックを目指すヴァイスター。レーダーには今のところ何の反応もない。
「で、その回避作戦を使うんだな?」
『そう。』
「どうやって?」
『最終的には出てくるロボット総動員で押し返すんだけど。』
「全員で力ずく?」
『そう。』
「ここには一機しかいないんですけど?」
『何も最初からプランBってわけじゃないよ。』
プランAが失敗して地球崩壊の危機の時、あらゆるロボットたちが力を合わせてスペースコロニーを押し返す・・・というのがハイロボのお約束だ。
『プランAの形はゲームによって微妙に違うんだけど、大概一緒。大気圏で燃え尽きるように破壊するか、バリアーで弾くか、軌道を変えるってところ。』
「FXでは?」
『FXではバリアーで弾く方法。けど、今回はちょっと違う方法をとることになるかな。なにせ、いろんなゲームで手に入れてきたトロフィーがあるからね。』
文字通りにゲームが違うスキルがいっぱいある。たとえば、触れただけで何でも破壊してしまう無敵状態や、反物質を触れ合わさせて対消滅させる光子化などなど。
が、今回は破壊する方法はとれない。ある程度はハイロボFXの道に沿う必要があるためだ。
「で、何を使う?」
『ブラックホールで吸引する。』
「よりによってブラックホールなのか。」
『あんまいい気分はしないけど、レイの星の船を改造したヴァイスターが使うにはおあつらえ向きじゃないかな。』
ブラックホールの力となると、レイの仇であるバミューダのことを連想せざるを得ないが、今は四の五の言ってられない。
大クラックの向こう側からブラックホールとトラクタビームでオービタルリングを引っ張って、大クラックの向こう側の『現実世界』のオービタルリングとぶつけ合う。
現実と空想が交じり合うと、対消滅する。その衝撃で現実改変装置の影響も吹き飛び、ゲーム世界と現実世界の融合状態も切り離される。
『それで万事解決!というのが『ラファエロ』の導き出した答えだよ。』
「信用できるのかそいつは。敵なんだろう?」
『元・敵ね。ばっちりゲーム漬けにしてやったから大丈夫だよ。』
「つまり遊馬のようなゲームオタクの引きこもりに?」
「それはそれで心配になる。」
『引きこもりなのは元からだったけどね。』
ともあれ、そのおかげ遊馬は作戦を立てられた。根拠として挙げられたのが、その現実改変装置の創造主である『ラファエロ』による情報なのだから信用性は高い。
それ以上に、孤独なゲーム仲間が心を開いてくれたということを遊馬は信じたかった。