ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第282話

 「で、作戦って具体的に何するんだ?」

 

 『ここにブラックホールを置いて、トラクタービームでつないでオービタルリングを牽引して、現実世界のオービタルにぶつける。』

 

 「で、その時の衝撃で世界同士も離れると。」

 

 『そう。その時に、どちらの世界に残るかを選択できるんだけど・・・。』

 

 「向こうに残る気はないんだろ?」

 

 『ない。全くないわけではないんだけど、まあない。』

 

 それはもう何度も言っている。そりゃあ、せっかくできた仲間やゲーム友達と別れることになるのは辛いが、現実と向き合うのはもっと辛い。

 

 『さ、そんなことよりも、作戦続行だ。オ-ビタルの状況はどう?』

 

 「まもなくトラクターのN極に捉えられる。」

 「ここから見るもうひとつの世界も、綺麗なものですわね。」

 

 モザイクがかって見えているとはいえ、それでもその向こうに命が生きていることがうかがえた。

 

 「もっと綺麗にするんだ、俺たちが。」

 

 『混ざりっ気のない、純粋な世界に・・・。』

 

 ヴァイスターから放たれたトラクタービームが、大きなものをひっかけた。

 

 「よし、アンカー接着。」

 「牽引開始!」

 

 つつがなく作戦は進行した。一度トラクタービームで引っ張られ始めたオービタルリングは、徐々に地球から離れていっている。その様子を確認できるものは、現実世界には一人としていないが。

 

 『さて・・・いるんだろ、出てこい糞親父。』

 

 「え?」

 「ん?」

 

 否、ひとりだけいた。エヴァリアンとの最終決戦で遁走し、ドサクサに紛れて最後の現実改変を行ったネズミが。

 

 『実の父親にずいぶんな言い方だな遊馬。』

 

 『そう育てたのはアンタだよ。』

 

 「なに?どこから話してる?」

 「オービタルの中から無線で話してきてる。」

 

 真のラスボスの登場だ。ラスボスというにはあまりに威厳もヘチマもない、ごく普通の一般男性だが、今この状況に持って行った極悪人であることに違いはない。

 

 「で、あんたはそんなとこで何やってる?」

 

 『遊馬、もう一度言おう。私の言う通りにすれば、世界はお前の思うままだ。』

 

 「あー、ボクらのことは眼中にないってカンジ。」

 

 『そういうやつだ。自分の作品、我が子ですら、自分の欲望を満たすための道具としか思ってない。』

 

 こんな外道から生まれたと思うと吐き気を催す。遊馬はグリップを握る手に力がこもる。出来ることなら今すぐこいつの乗ったオービタルを光子魚雷で吹き飛ばしてやりたいところだが、オービタルを人質にとられてはウカツに攻撃もできない。

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