ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「で、作戦って具体的に何するんだ?」
『ここにブラックホールを置いて、トラクタービームでつないでオービタルリングを牽引して、現実世界のオービタルにぶつける。』
「で、その時の衝撃で世界同士も離れると。」
『そう。その時に、どちらの世界に残るかを選択できるんだけど・・・。』
「向こうに残る気はないんだろ?」
『ない。全くないわけではないんだけど、まあない。』
それはもう何度も言っている。そりゃあ、せっかくできた仲間やゲーム友達と別れることになるのは辛いが、現実と向き合うのはもっと辛い。
『さ、そんなことよりも、作戦続行だ。オ-ビタルの状況はどう?』
「まもなくトラクターのN極に捉えられる。」
「ここから見るもうひとつの世界も、綺麗なものですわね。」
モザイクがかって見えているとはいえ、それでもその向こうに命が生きていることがうかがえた。
「もっと綺麗にするんだ、俺たちが。」
『混ざりっ気のない、純粋な世界に・・・。』
ヴァイスターから放たれたトラクタービームが、大きなものをひっかけた。
「よし、アンカー接着。」
「牽引開始!」
つつがなく作戦は進行した。一度トラクタービームで引っ張られ始めたオービタルリングは、徐々に地球から離れていっている。その様子を確認できるものは、現実世界には一人としていないが。
『さて・・・いるんだろ、出てこい糞親父。』
「え?」
「ん?」
否、ひとりだけいた。エヴァリアンとの最終決戦で遁走し、ドサクサに紛れて最後の現実改変を行ったネズミが。
『実の父親にずいぶんな言い方だな遊馬。』
『そう育てたのはアンタだよ。』
「なに?どこから話してる?」
「オービタルの中から無線で話してきてる。」
真のラスボスの登場だ。ラスボスというにはあまりに威厳もヘチマもない、ごく普通の一般男性だが、今この状況に持って行った極悪人であることに違いはない。
「で、あんたはそんなとこで何やってる?」
『遊馬、もう一度言おう。私の言う通りにすれば、世界はお前の思うままだ。』
「あー、ボクらのことは眼中にないってカンジ。」
『そういうやつだ。自分の作品、我が子ですら、自分の欲望を満たすための道具としか思ってない。』
こんな外道から生まれたと思うと吐き気を催す。遊馬はグリップを握る手に力がこもる。出来ることなら今すぐこいつの乗ったオービタルを光子魚雷で吹き飛ばしてやりたいところだが、オービタルを人質にとられてはウカツに攻撃もできない。