ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
あっけなく最終決戦は終わり、ヴァイスロンはゆっくりと動いているオービタルにとりつく。入口らしいものと言えばレベリオン用のメンテナンスハッチがあるが、当然ヴァイスロンには小さすぎる。
「どうする?」
『ここから先は僕一人で行く。』
「大丈夫なのか?」
『元々、僕の親父のせいで始まったことだ。僕がケリをつけてくる。』
「なら頼んだ。」
ヴァイスターとの合体を解除してダークリリィ単機となるが、その合体解除を待っていたかのように異変は起こった。
「むっ・・・新手か?」
オービタル表面の突起や影から、それらは姿を現す。
『コンプレッセ、まだいやがったのか?!』
「どうやら、一匹だけで終わりじゃなかったようだね。」
「二回戦突入ですわ!」
「遊馬、お前は行け。」
『けど!』
「ここで時間食われたら、なおマズい。」
「こんなやつら、ヴァイスロンになれなくてもやれますわ!」
「と、いうことだから安心してくれ。」
『みんな・・・。』
コンプレッセの姿は次から次に増えていき、あっという間に大群となる。このままでは、オービタルすべてを埋め尽くして内部への侵入すらできなくなってしまうだろう。悩んでいる暇はない。
「わかった、みんなに任せる!」
『4号弾、撃て!』
『道を切り開きますわ!』
閃光弾の光が、コンプレッセの幕の一部を焼き払う。すぐにそれはふさがれてしまうだろうが、ダークリリィ一機が滑り込めるだけの隙間はある。
『がんばってこいよ。』
『わかってると思うけど、そのまま中にいたら世界の再構成に巻き込まれるから気を付けてね。』
「ああ、じゃあ行ってくる。また。」
仲間を信じる、それは時に別れを覚悟することでもあるが、これが永遠の別れとなるとは誰も微塵も思ってはいない。
『さあ、パーティーの始まりだ!』
『撃ちまくりますわ!』
『出し惜しみはなしで行きたいね!』
強い言葉たちを背に受けながら、ダークリリィはハッチのひとつに身を滑り込ませる。
オービタルもなかなかの大きさで、中に入ってしまえば通信もできなくなるだろう。ここからは本当に遊馬一人の戦いに・・・。
「らぴ!」
「ああ、ラッピーは一緒だったね。」
訂正、一人と一匹の戦いになる。
ダークリリィのセンサーを拡大すると、片桐和馬の居座っていそうな場所を探る。この廃墟に他の生命反応があるはずもない。
「中央ホールか、司令センターか・・・。」
あるいは、現実改変装置のあった機関部か。マップデータと照合しながら、慎重に行き先を検討づける。