ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第290話

 「くっそ、こいつらしつこい!」

 「倒しても、倒しても!」

 「キリがない!」

 

 オービタルの外では戦闘が続いていた。もう倒した数を数えてはいないが、それでもコンプレッセは絶えることがない。

 

 「閃光弾、残り2!」

 「このままじゃ倒しきれませんわ!」

 「躱し続けるしかないか。」

 

 刀折れ矢尽きようと、戦う意思は折れない。必ず遊馬が目的を達成してくれるという信頼があるのと、それまでに生き残っていればOKという目標があるからだ。

 

 無数に放たれる闇の槍たちを、モンドの駆るヴァイスターはバレルロールを交えながら、風に舞う羽毛のように危なげなく躱す。

 

 「後方!追われてる!」

 「ちぃっ、フレア!」

 「フレア、残り0!」

 

 ミサイル避けのフレアを焚いてさらに追跡してくる触手のようなものを追い払い、後部レーザー砲で焼いていく。

 

 そうやってオービタルの周囲を何度も回りつつ時間を稼いでいたが、そうこうしている間にもコンプレッセの数は増していく。

 

 「もう、オービタルが見えないよ・・・。」

 「弾もありませんわ。一旦退くしか。」

 「遊馬を置いてはいけん。」

 

 外からダークリリィの反応を探ることができないため、中の様子を知ることもできない。ただ待つしかできない。

 

 「また来るよ!」

 「くっ!」

 

 息つく暇もなく、オービタル表面のコンプレッセたちからまた攻撃を受ける。

 

 「まだダークリリィは見つけられないのか!」

 「ダメだよ!全く反応がない!」

 「うぉっく!!しまったか!」

 

 オービタルの死角から伸びてきた触手に掴まれてヴァイスターの動きが止まると、待ったいたと言わんばかりにわっと触手がさらに伸びてくる。

 

 「最後の閃光弾!」

 「使います!」

 

 閃光の中からヴァイスターが飛び出す。これで本当にコンプレッセへの対抗手段がなくなったことになる。

 

 「くっそ・・・まだいけるか?」

 「エネルギー残量、35%。」

 「自然回復では追いつけませんわ。」

 「まだ、飛べる!」

 「精神力が追いつかないでしょ?」

 

 さすがのモンドも疲れてきていた。普段なら先ほどのような不意打ちにも対応して見せるというのに受けてしまったということからもそれは明らかだった。

 

 閃光が収まるまでに、出来る限り数は減らしたが、焼け石に水だった。いずれまた攻撃が飛んでくることは明白だった。

 

 しかし突如コンプレッセたちの動きが止まる。

 

 「来るのか?」

 「いや、来ない。」

 

 身構えたモンドだったが、すぐにそれを解除する。スイッチが切れたようなコンプレッセたちの姿が、じょじょに希薄になっていくのが見えた。

 

 「終わったのか?」

 「たぶん、アスマがやったんだね。」

 「待ちくたびれましたわ、もう。」

 

 しばらくして、何事もなかったかのようにダークリリィが元入っていったハッチから出てくると、通信を入れるよりも先にハンドサインを出してきた。

 

 「やったんだな。」

 

 『あー、うん。なんとか。やった。」

 

 「歯切れが悪いな。」

 

 『うん、やったというかやっちゃったというか。』

 

 「というと?」

 

 『倒したというか、埋めただけというか。ともかく、今すぐもう一方のオービタルの方に向かわないといけない。』

 

 「???まあいい、収容する。」

 

 どうにも要領を得ない物言いに引っかかったが、とにかく時間がないということは分かった。ヴァイスターの背中が開くと、そこにダークリリィを格納するハンガーが出てくる。

 

 『OK、超特急で飛ばして。』

 

 「じゃあその間に、ひとつ自慢話でもしてよ。」

 

 『わかった。』

 

 戦闘の熱も冷めぬうちに、高速航行モードへとギアを入れた。

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