ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第295話

 エルザの顔がすっと本気の色に変わる。

 

 『そう、ならばやはり戦うしかないようね。私は雄二のために、雄二は新しい世界のために。』

 

 「僕らは、『今』のために。」

 

 『未来』を創るものは生憎ここにはいない。それは現実の世界を生きるものだけの特権、ここにいるのは過去にしがみつき続けているようなものたちだけだから。

 

 雄二の言う世界がひとつ生まれたところで、無数に存在する平行世界には(正確にはそこに住むに人間たちには)なんら影響がない。隣の家に塀が出来たというぐらいどうでもいい無関係な話だ。

 

 結局のところ、雄二たちは自己満足のために世界が欲しいだけだし、遊馬たちも和馬の野望を成就させないためだけに動いているだけでしかない。

 

 この戦いに『正義』も『英雄』もいない。この戦いで、どれほどの人間が幸福になるか、不幸になるか。当人たちは知ったこっちゃない。皆、自分の願いのためだけに戦っているのだから。

 

 『だから、最大限ワガママさせてもらうわよ。『リバイバル』!!』

 

 エルザはペンダントを掲げて叫ぶ。白い光の中でその姿をカサブランカへと変える。

 

 その影から黒衣の雄二が現れると、颯爽とカサブランカへ乗り込む。少々手狭ではあるが、トビーたちが改良してくれたおかげでどうにか大人の雄二にも乗り込めるようになっていた。

 

 こうして対峙すると、初めて会ったときのことを思い出す。

 

 『あの時は様子見のために手加減していたが、今度はそうはいかないぞ。』

 

 「ぬかせ。」

 

 モンドは自慢のレーザーキャノンを構え、トビーは機械仕掛けのハンマーを手にし前へ出る。美鈴が花と星の装飾が施された銀の盾を構えると、そこから浮遊する衛星が現れる。

 

 皆一様に今までの冒険の中で手に入れた武器や道具で武装している。どれもあらゆるゲームの中での最強装備と言って過言でない代物ばかりだ。

 

 頭の上にラッピーを乗せた遊馬もゲームPODネクスを起動する。

 

 「こっちも『リバイバル』!」

 「らぴ!」

 

 これだけおあつらえ向きのバトルフィールドが用意されたからには、遊馬も最高戦力を惜しみなく呼ぶ。

 

 即座に黒い機体・ダークリリィが召喚されたかと思うとヴァイスターが飛来し、ヴァイスロンへと合体する。バーニアの熱風に吹かれた花びらが雪のように舞う。

 

 花園に向い立つ二つの勢力。片や一機だけ、片やその倍のスケールの大型機とフル装備のメンバー、見るからに戦力の差は愕然としている。

 

 「どうする?諦めるか?」

 

 『答える必要はない。』

 『この程度の戦力差、今までなんら変わりないわ。』

 

 「だろうな。」

 

 雄二とエルザの意思は揺るがない。

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