ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第297話

 「渾身の一発!!」

 

 最後にトビーがハンマーの一撃をカサブランカの胴体に見舞うと、すさまじい衝撃波が広がり活動を停止させる。

 

 「やったか?」

 「そういうの、やってないってことだって今まで散々見てきましたわ。」

 

 なら一発と言わずに何発でも叩き込んでやればいいと思うが、トビーの持つ『ゴールデンクラッシャー』にはちょっとクールタイムがある。元はハードコア風パズルゲーム『メタルコンボイ』のお助けアイテムで、邪魔なブロックを破壊する範囲が最も高い代わりに、クールタイムも一番長いというシロモノなのだ。

 

 その分威力もお墨付きだ。あれだけの衝撃を加えれば、いかにカサブランカといえど中身のパイロットまで無事とは到底いかない。勝ったな、風呂入ってくる。

 

 「銃撃継続!」

 「アイアイサー!」

 

 少々残酷だが、確実性のために攻撃を継続する。ことレベリオンに関してはパイロットは生体パーツでしかなく、パイロットが生きてさえいればレベリオン自身の意思で動くこともできるのだ。

 

 『まったくもってその通りね。』

 

 「やはり生きていたか。」

 

 射撃の第二波が届くよりも前に、意識を取り戻したカサブランカは派手にブレイクダンスのように回転しながら立ち上がり斉射を躱す。

 

 『おかげで雄二は気絶しちゃったけど、今度は私の番!』

 

 相変わらず、カサブランカの狙いはヴァイスロンだ。弾幕をあっさりと潜り抜けてヴァイスロンに肉薄すると、鋼鉄をも砕く拳をふるう。

 

 『そのデカイ図体でどれだけ避けれる?!』 

 

 「くっ!レーザーソード!」

 

 ヴァイスロンも負けじと光の刃を発生させるが、波動エネルギーを纏わせた拳を切断するまでには至らず、鍔迫り合いのようになる。

 

 「うぉおおおお!」

 

 『遅い!』

 

 「ぐわはぁっ!!」

 

 レーザーソードを握る右腕が肘関節から破壊されて宙を舞う。ヴァイスロンはたじろぐ。

 

 『ところで遊馬、あなた過去に未練は?』

 

 「あるけど、過去は過去だと思う。」

 

 今まで救えなかったものもたくさんあるが、それでも遊馬たちは進んできた。

 

 『それが全部戻ってくるとしても?』

 

 「考えたよ。死んでいった仲間たちが、みんな戻ってくればとか。」

 

 瞼を閉じれば浮かんでくる、仲間たちの顔。エルザや雄二もそのうちのひとつだ。

 

 「シェリル・・・。」

 

 現実世界の戦いで死んだネプチューンのクルーたち、手が届かなかった人たちのこと。

 

 「けど、みんな『覚悟』決めてた。その覚悟をフイにする願いなんて・・・できない。」

 

 『そう、ではなぜあなたは『未来』に生きようとしないの?』

 

 ビクッ、と遊馬の体が震えた。核心を突かれたのだ。

 

 『その覚悟を背負って生きてきているなら、あなたは未来に生きなければならない。そうは思わない?』

 

 遊馬の頭もまた一瞬のうちに行動不能にさせられてしまった。

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