ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第38話

 「事情はわかった。わけわかんない状況だって思ってるけど、まあわかったよ。」

 

 なんでこんな状況になってるのか、理解は追い付かないけど納得はした。真意を問いただすには、やはり父さんと話すしかない。けど、今は軟禁状態なんだ。今向こうに戻っても、何も出来ないと思う。

 

 「じゃあ、こっちの世界で何かアクションを起こしてみる?」

 「例えば?」

 「自分がヘイヴンに利する存在だと口で言うよりも、アピールすればいいんだ。」

 

 軟禁状態にもかかわらず、ゲームPODを取り上げられなかったというのは、つまりそういうことなんだろう。僕が危険分子なのかを見定めようとしているんだ。まるで迷路の中を走らさせられる実験ネズミのような感覚。

 

 「なら、ゴールしてみせよう。まずはクエストをこなしてみよう。」

 「そうだな、まずは軌道エレベーターに行ってみろ。」

 「雄二、さんは来ないの?」

 「俺は・・・足手まといになるだけだ。ここに残っている。」

 「カサブランカに乗れば戦力になると思うが?」

 「俺はもう、乗れないんだ。」

 

 実に残念そうに、雄二は答えた。

 

 「乗れない?乗ってたじゃないか。」

 『さっきまではね。けど世界が繋がった影響で、雄二の体が『成長』してしまったの。』

 「レベリオンは、子供にしか操縦できないほどコックピットが狭いんだっけ。」

 「そう。多分『あっち側』は『雄二が生きている』世界なのね。」

 「元からモンドと同じぐらいの身長だったと思うんだけど。」

 『細かいことは気にしなくていいんだよ。』

 

 所謂、後付け設定による矛盾というやつだろう。それもなんもかんも世界が融合したのが原因だ。

 

 『ところで、私も『エルザ』に戻っていいかしら?』

 「戻る?」

 「レベリオンは人間が変身した姿だから。当然元の姿にも戻れる。」

 『久しぶりに足も治ったことだし、いい?』

 「ええ、私も降りますわね。」

 「らぴ!」

 『ありがとう・・・。』

 

 美鈴とラッピーがコックピットから降りると、カサブランカは光に包まれて、徐々に縮んでいく。

 

 「ふぅ・・・久しぶりにこの体に戻った気がするわ。」

 「俺も久しぶりに見た。」

 

 光る人型は銀の長い髪をツインテールにした少女に変わり、光は集約されると、エルザの首から掛けられたペンダントに変わる。

 

 「マジで変身してたのか。」

 「変身するなら魔法少女がよかったけれどね?」

 「少女って歳でもなくなったろう。」

 「あら、私は永遠の17歳よ?マジで。」

 「笑えないぞ。」

 

 実際レベリオンに改造された者の人間態の外見は変わらなくなるという。つまり、火星にいた頃はエルザの方が雄二より年上だったということで、年上幼馴染とはエモい。

 

 「じゃあ、行ってくるわね。」

 「ああ、いってらっしゃい。」

 「エルザさんを借りていきますわね。」

 「ああ、面倒みてやってくれ。」

 

 エルザが仲間に加わった。そしてエルザの先導によって冒険が再開される。

 

 「地下鉄はこっちよ。」

 

 それはあっさりと見つかった。

 

 「しかし、本当になんでもあるんだなこの学校には。」

 「レベリオン基地だからね。人類の最後の希望だったから。」

 「けど、いくら世界の危機だからって、子供に戦争させるなんて本当にエゲつない話だね。」

 「書いたの僕のお父さんだけどね。」

 「いつもそんな話書いてるの?」

 「ううん、どっちかっていうとコメディが主体だって聞いたよ。作家としての活動は、僕が生まれる前からやってたみたいだけど。」

 

 長く生きてりゃ暗い話も書くことぐらいあるだろうけど、あまりにもギャップが激しい。

 

 さて、そんなことよりも電車の状態をチェックしよう。

 

 「おっ、これはリニアか。これなら地平線まであっという間だろうね。」

 

 トビーはレールと車両を見ただけで即座に判断した。カサブランカの当時は、リニアモーターカーも夢の乗り物と言われていた。現実はもう追い付き追い越しそうなぐらいだが。

 

 「動きそう?」

 「うん、電気も通ってるし。すぐにでも発進できるよ。」

 「・・・けど、こういう地下鉄って、サバイバルホラーゲームだとボス戦フラグだよなぁ。」

 「嫌なこと言わないで・・・。」

 

 数分後、遊馬のその予想通りの展開となるのだった。

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