ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第4話

 「で、移動するのはいいけど、どこに行く?」

 「目的地はグラウンドなんだろう?そこへ行けばいいじゃないか。」

 「まだ仕様とかわかってないし、もうちょっと色々試してから行きたい。いきなりボスと戦闘とかなったら、勝てるかどうかわかんないし。」

 「・・・そういえば、ゲームだったら『セーブ』とかないの?」

 

 忘れていた。何度かセーブするのを忘れながら、パーティが全滅して思わずリセットしたこともあった。

 

 「・・・セーブらしいものはないかな。」

 「じゃあ、ボクら全滅したらどうなるんだろ?全滅までしなくても、HPがゼロになったらどうなるんだろう?」

 「大体ゲームなら、最後にセーブした場所か回復ポイントにまで戻されるとかだけど。」

 「そのセーブが無いんだろ?」

 「回復ポイントって、どこ?」

 「ぴぽ?」

 

 ゲームによっては、ウインドウから自由にセーブできず、セーブポイントでしか出来ないシステムもある。

 

 「じゃあ次は、回復ポイントとセーブポイントを探すことを目標にしよう。」

 「なかなか先に進めないな。」

 「慎重に一歩ずつ。」

 

 どんな落とし穴があるかわからない。

 

 「むっ。」

 「どした?」

 「どうやらお客さんのお出ましのようだ。」

 「お客さん?」

 

 廊下の先頭を行っていたモンドが身構える。見れば、正面の空間が歪んで、3つの影が現れた。

 

 『ギ・・・ギギ・・・。』

 「タイムドグマの戦闘アンドロイド!」

 「俺の世界の同胞か。お友達になりに来たってわけじゃなさそうだけど。」

 「え?もともとお友達だったんじゃないの?」

 「知らん!そんな記憶俺には無い!」

 

 そう言って、モンドは義手からレーザーガンを抜く。その義手も、元はタイムドグマの科学者は作った物なのだが。

 

 さあ、戦闘開始だ!

 

 「一番早いのはラッピーだ。まずはモンドの後ろにまで移動して。」

 「らぴっ!」

 「次の美鈴も、モンドの後ろの方が安全かな。」

 「わかりました。」

 「次がトビーか。トビーは何か武器持ってたっけ?」

 「ワイヤーガンがある。これで引き寄せてパンチをお見舞い出来るよ。」

 「けど、一撃で倒せるかわからないし、その次にアンドロイドのターンが来るから、かえって危険かな。トビーもモンドの後ろに移動して。」

 「オッケー!」

 

 次、アンドロイドAはスタンロッドを起動させて向かってくる。アンドロイドBも同様だ。しかし最後のアンドロイドCは、銃を抜いて撃ってくる。目標はモンド。

 

 「ふん、この程度の攻撃、いつも躱して・・・。」

 「避けたらわたくしたちに当たりますのよ!」

 「ごめん、避けないでね。」

 「くっ、これは貸しにしておくぞ・・・。」

 

 タイムライダーは、様々な武器を切り替えながら、スタイリッシュに戦うアクションゲームだ。避けるのが基本なモンドは不服そうだった。

 

 「やっと俺の番だな。今回はあらかじめ武器を装備してあるから、前のような失態はない。喰らえ!」

 

 ドギャン!という炸裂音と共に、アンドロイドAの体は大きく吹っ飛んで動かなくなる。

 

 「おいおい、一番遠い銃撃タイプを狙わなくてどうするのさ!」

 「まあまあ、一撃で倒せるみたいだし。次・・・どうしようかな、ラッピーも攻撃してみるか。」

 「らぴぴ!」

 

 ラッピーはモンドの背後から飛び出すと、アンドロイドBにハンマーをぶち当てる。

 

 『ギギギギギ・・・!』

 「あちゃ、倒しきれなかったか。」

 「このままだと、ラッピーが狙われますわよ?」

 「でも、のこり体力はわずかだ。これなら美鈴のフライパンでなんとかなるんじゃない?美鈴はスキルで攻撃対象にならないし。」

 「最後の一体は?」

 「トビーのワイヤーガンで引き寄せ攻撃しよう。よしんば倒しきれなくても、銃の有効射程から外させることはできる。」

 「よし、ではそのように・・・。ミスズ、お願い。」

 「わ、わかりましたの・・・とう!」

 

 バゴンッ!と重い音が響くと、アンドロイドBも機能停止する。

 

 「あとはボクが・・・それっ、グラップルスマッシュ!」

 「あっ、カッコイイ。」

 「わたくしも技名をつけるべきでしたわ。」

 「技名をつけてもフライパンはフライパンだろう。」

 

 トビーの握る銃からワイヤーが飛び出し、アンドロイドCの首を捕らえると、巻き取りのスピードをプラスした拳が火を吹く。

 

 『戦闘終了』

 

 「意外と簡単だったな。」

 「わたくしも、案外出来るものですわね。」

 「どれどれ、ドロップアイテムは・・・。」

 

 アンドロイドは下級兵士だ。大したアイテムをも落とさないが、今はどんなものでも貴重品になる。ホクホクとウィンドウを開いて確認してみる。

 

 「なにコレ、『ジャンクパーツ』?ガラクタじゃないか。」

 「タイムライダーの武器のアップグレードに使うアイテムだけど、この世界だと役に立つんだろうか?」

 「開発や改造はドクにまかせっきりだからな・・・。」

 

 ともあれ、最初のイベント戦闘を覗けば、初となるザコ戦に勝利した。

 

 わりとあっけなく勝てたことによって、そこに少しの油断があったことを心に留めておくこととなるのはまだ先の話。

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