ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「これ、壁の模様かと思ったけど、何かの端末なのかな。」
「スクリーンか?」
バルアークはアダムの戦艦で、そのアダムが電子生命体・・・情報ナノマシンによる集合意識体とでも呼ぶべきものだった。そしてアダムが肉体として作り出したのがレベリオンであり、そのレベリオンは身長5mほどある。
「ミスズ、エルザ、これ動かせる?」
『どれどれ?あー、これね。』
バルアークの一角の部屋、おそらく談話室だろうか?、にあった、一見すると壁に描かれた模様のように見えたそれは、レベリオンサイズのモニターだったのだ。隅の丸模様にカサブランカが手を添えると画面が点灯する。
「まだ動いてるのかな。」
「チャンネル回してみよう、リモコンはどこだ?」
「テレビ見ようって時に限ってリモコン見つからないよね。」
「テレビ本体にスイッチならついてるだろ。」
画面が点いたとは言っても、どのチャンネルも砂嵐ばかりだ。
「おっ、なんだこの画面。」
「チェス?」
現れたのは白黒の格子模様の画面。駒がいくつか散り散りに並べられている。
「これは・・・詰将棋ならぬ詰チェスってことかな?」
「唐突だな。」
「これをクリアしろってことかな?サブクエストかも。やってみよう。トビー、チェス得意でしょ?」
「えっ、ボク?うーん・・・。」
しばらく長考して、宇宙服のスラスターを吹かして一手、二手と動かすが、途中で逆にチェックをかけられてしまった。
「うーん、負けちゃった。」
「得意なんじゃないのかよ。」
「突銭言われても出来ないよ!」
「私・・・ちょっとやってみますわ。」
次に挑戦するのは美鈴。カサブランカでの細かい作業にも慣れたのか、器用に指を動かして駒を操っていく。
「チェック。この程度、造作もないですわ。」
『へー、やるもんね。私もチェス得意よ?』
「じゃあ次はエルザさんがやってみます?」
『そうね、久しぶりに頭の体操を・・・。』
今度はエルザが操縦を変わって問題を解いていく。
『できた!』
「お見事ですわ!」
「お前はチェス出来るのか?」
「一応は。将棋の方が得意なんだけど。」
仲睦まじく遊んでいる女子たちを、遊馬たちは後ろで眺めていた。
「終わった・・・。」
『これで全部かしら?』
「あ、終わった?」
「けど、何のためにこんなゲームがここにあったんだろう?」
「アダムたちの暇つぶしじゃないのか?」
「ならインベーダーゲームでも置いておけばいいのに。」
「チェスが得意なんじゃないのかよ?」
トビーが負け惜しみを言っているが、それはさておき。
【ランクA:モノクロ・マスター】
報酬:スペア・クイーン
どうやらクリアしたらしい。報酬としてアイテムも手に入った。
「どれどれ?身代わりアイテムか。」
「身代わり?」
「戦闘で倒されても、一回だけ蘇られるらしい。」
「なら、レディファーストでミスズが持ってればいいんじゃないかな。さ、次行こう。」
「でも意外でしたわね、エルザさんもチェスが得意だなんて。」
『まあね、雄二以外には負けたことないわよ。』
「へえ、雄二さんも得意なんですのね。」
『というか、雄二から教えられてね・・・。』
トビーにせかされ、部屋を後にする。どうやらここにはメインとなるものはなかったようだが、他にも実りがあったとみていいだろう。