ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第6話

 「さっそくステータスを確認しよう。」

 「これで敏捷1とかだったら俺は笑わせてもらうからな。」 

 「・・・まさかそんなことはないでしょう?」

 「やっぱりわたくしのスキルを取った方がよかったのでは?」

 「ま、まだそうだとは決まってないから!」 

 「いいから早く確認しようよ。」

 

 【片桐遊馬】

 HP:500

 DEX:8

 INT:9

 STR:9

 

 「・・・まあ、悪くないんじゃありませんの?」

 「いっそ全部1なら笑いのタネにもなったものを。」

 

 体力が500あるなら壁ぐらいにはなるか。

 

 「も、問題はスキルの方でしょ?!」

 「スキル持ってるの?」

 「これでスキルも微妙だったら荷物持ちな。」

 「そんなことない!さあ来い神スキル!」

 

 特殊スキル『プレイヤー』:味方の手番中、自由にアイテム・スキルを使える。この効果は1サイクルにつき1回しか使えない。

 特殊スキル『アヴァター』:基礎ステータス強化スキルを+18まで強化できる。

 

 「ほら、二つもあった!すごいでしょう??」

 「プレイヤーとアヴァターね・・・。」

 (どっちもアスム自身のスキルではないと思うけど。)

 (しっ、黙っておきましょう。)

 

 プレイヤーは、アヴァター獲得前から使えたようだった。これがあれば、実質DEXを無視して味方の補助に回ることが出来る。アヴァターの方は、強さの限界を底上げできるようだ。ゆくゆくは勇者らしく先頭に立つことも出来るようになるだろう。

 

 「じゃあつまり、どっちにしろ今は荷物持ちってことだな。」

 「ん、まあ・・・たしかに。」

 「じゃあ、アイテムの再分配で、回復アイテムも多めに持っておいてね。」

 「・・納得いかないなぁ!」

 「せめて払ったポイントの分ぐらいは働いてくださいね。」

 

 覆水盆に返らずとはこれ。まあ、我儘を通してもらったんだから、ありがたく持たせてもらっておこう。

 

 「で、次はどこへ行けばいいんだプレイヤーよ。」

 「普通に名前で呼んでほしいな・・・。回復ポイントと言えば、保健室かな。活動の拠点になるかもしれないし、あそこにも何か変化があるかも。」

 

 こういう時は、隠し要素やイベントのフラグがあったりするから、ゲーマーとしてもくまなく探索しておきたい。どうか敵とエンカウントしませんように。

 

 「マップは・・・ん?」

 

 自然と歩みが遅くなっていた遊馬の後ろに歪みが現れるが、気づくのが遅れた。またあの戦闘アンドロイドが現れると、間髪入れずに攻撃を仕掛けてくる。

 

 「奇襲攻撃か!」

 『ギギギギギ!』

 

 後方からの奇襲攻撃!敵全員は1ターン自由に動ける。

 

 「でも今一番後ろにいるのはアスマだから・・・。」

 「狙われるのもお前だな。」

 「そんなー!」

 「ちんたら歩いてたるからだろ。」

 

 歩きスマホ、並びに歩きゲームはやめましょう。

 

 「さっそく壁②役として役に立てると思えば・・・。」

 「出来ればカッコよく敵を倒す役がよかったけど、まあいい。さあかかってこい!」

 

 出てきた敵は、今回は近接タイプのアンドロイドが2体。どちらもスタンロッドを抜いて、遊馬に殴りかかってくる!

 

 「ぎゃびびびびびびび・・・!し、シビレた・・・。」

 「もう一体来るぞ。」

 「あぎゃああああああ!!!」

 

 初攻撃の前に、初ダメージを受けてしまった。その痛みは、これがただのゲームではなく、現実として起きている現象だという事を思い出させた。

 

 「大丈夫?」

 「へ、平気・・・。ダメージはどれぐらい受けたんだろうか。」

 

 膝はついてもゲーム機は手放さない。現実なら気絶必死どころか、命の危険もあるような攻撃を受けた気がするが、今こうして生きていられるのは、アヴァターになった効果だろうか。

 

 【片桐遊馬】

 HP:440/500

 

 一回30は喰らったのかな?ダメージのルールがよくわからない。

 

 (ステータスに防御力の項目は無かったし、STRの対抗なのかな?そこに武器の威力を加算ってところかな?)

 

 あくまで落ち着いて、頭を巡らせてみる。ステータス上のINTは決して高くないけれど、ゲームの知識までは抜け落ちていないはず。

 

 ゲームPODの画面から、ステータスを確認してみる。

 

 「敵のステータスは・・・一回戦った相手なら、図鑑とかないかな。」

 

 果たしてそこにあった。

 

 【アンドロイドマン】

 HP:120

 DEX:5

 INT:5

 STR:10

 

 武器についてのデータは載っていない。

 

 単純に『攻撃側の攻撃力ー防御側の防御力=ダメージ』の計算式なら、10-9=1の、さらに武器攻撃力を掛けて30になったと考えるべきか。

 

 (でもモンドの受けたダメージが10だった。最低でも10は喰らう仕様なのかな?)

 

 でもモンドが受けた攻撃は銃撃だった。銃にSTRは関係あるんだろうか?

 

 そもそも、モンドのHPは本当に9999なんだろうか?オーバーフローして10000以上ある可能性もある。実際は10以上のダメージを受けていた可能性も・・・。

 

 「うーん・・・考えれば考える程謎になってくる・・・。」

 「何やってんだ。もう終わったぞ。」

 「えっ、もう戦闘終了?」

 「また置いてかれるよー。」

 「待って!もう奇襲喰らうのは嫌だ!」

 


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