ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
『行った!』
「行きましたね・・・。」
マスドライバーを支えていた2人が無事に発射を見届け支柱から手を離すと、バランスを失ったマスドライバーが傾いていく。
『あー、ちょっちマズいかも・・・左腕が動かない。』
「すぐに機体の交換を。敵は私が抑えます。」
『頼んだ!』
ライトレベリオンのいいところは、比較的安価なところだ。故障したらリペアではなくチェンジしてしまえばいい。
「来た・・・!」
けれど、その前にお客さまがお見えになってしまった。レ-ダーではなく、目視で確認できる位置にそれはいる。
一見すると平たい円盤だが、だんだん大きくなってきている。じょじょにそのシルエットが見えてくると、その円盤が巨大なブースターであり、それがレベリオンの下半身に接続されているとわかる。
「あれが、アーマーギア・・・。」
資料で見た記憶がある。本来の自身の乗機であるシアンカラーの機体か、情報兵のアリサならば、即座にデータベースに接続して検索にかけられたのだが、どちらも今は手元にないセシルは脳内のデータベースを漁る。
「『AG-23 ガスト』、大型ジェネレーターを搭載したブースターを持ち、高出力フォノンビームを放つ砲撃モードと、ブースターによる高速移動モードを使い分けられる、だったかしら。」
カメラアイの捉えた相手のシルエットには、砲撃ユニットが見当たらない。おそらく、高速で詰め寄るために邪魔になる砲撃ユニットをパージしたのだろう。
基地の防衛システムが仕事を始め対空砲が火を吹く。だがガストは最小限の動きだけで砲火を避け、接近するスピードを緩めない。
『これを使ってみるか・・・。』
ブースターの上面、甲羅のような部分が展開するとハニカムのような六角形のミサイルが露出する。
『半分ほどでいいか、発射!』
「あれは・・・。」
ミサイルが放たれ、拡散していく。
『爆ぜろ!』
直後、ミサイルから光の帯が放たれ、四方八方を破壊していく。
「くっ、対空砲がやられた。」
これがガストの超兵器の一つ、拡散ビーム発生ミサイルだ。フォノンビーム発生器を搭載したミサイルを放ち、広範囲を焼くことが出来る。ミサイルは使い捨てではあるが、単機で広域を面制圧できる火力を備えている。
もっとも、セシルはそのビームをすべて回避したが。
『やるな!それでこそ狩り甲斐があるというもの!』
(狩り、ね。)
わざわざオープンチャンネルで、威圧的な言葉を投げかけてくる相手にセシルは眉一つ動かさずに対応する。
機体の性能差を考えると、1対1で戦うというのは賢くない。すぐにシェリルが戻ってくるので、ここは一旦逃げに回る。
ライトレベリオンの脚部に備え付けられた車輪、ランディングホイールで地面を滑りながらビームガンによる射撃を避ける。
『そうだ!もっと逃げ回るがいい!』
(喧し。)
狩りに来た、という割にはあまりに単調な攻撃だ。避けることには苦労の一つもない。
『そこ!』
想定通り、ビームガンによる射撃はブラフで、本命はブースター下部のレールキャノンによる斉射が行われる。
遠距離用の狙撃ユニットと、広範囲殲滅用の拡散ビーム発生ミサイル、接近戦用のレールキャノン、とガストは一機で何でもできる戦術よくばりセット。
と聞こえはいいが、どれかひとつに特化させた方が結果的に効率はよさそうだ、と以前資料を見た時のセシルは断じた。
(配備に向けた実戦テストを兼ねている?だとしたら、随分舐められたものね。)
単一機能を画一的にこなせてこその完成品の兵器だ。いかに高性能といえど、未完成品に負ける完成品ではない。そういう意味では、このライトレベリオンを信頼している。
「お待たせ!」
「うん、散開して距離を保ちつつ射撃を加える。」
「了解!」
そうこうしている内にシェリルが戦線復帰する。ここから反撃開始だ。