ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第68話

 「よし・・・クリア。」

 『素晴らしい結果です。けど今日はこのぐらいにしておきましょう。』

 『お疲れさま!』

 

 数時間の奮闘の末、動く標的を射抜くこと、動きながら標的を撃ち抜く、回避しながらの反撃、と戦闘に必要な行動が出来るように見えてきた。

 

 だがそれはあくまで訓練の上での話で、実戦で同じ動きが出来るとは限らない。結局、反復練習によって体で覚えるしかない。戦士は一日にして成らず。

 

 遊馬はレバーから手を放してヘッドセットを外す。ハッチを開くと冷えた空気が背中から熱を奪っていく。気が付けば汗で手も服も汗でびっしゃりだ。

 

 「では、私が後片付けをしておきます。」

 「サンキュー!遊馬、シャワー浴びておいでよ。」

 「お言葉に甘えて・・・うっ、なんか寒い・・・。」

 「この部屋エアコンかけすぎなのよねー。」

 

 自分で使ったものなのだから自分で片づけるのが道理とも思ったが、今は一刻も早くシャワーを浴びたかった。

 

 「ふぅ・・・なんかまだフラフラする・・・。」

 「酔った?」

 「3D酔いには慣れてるけど・・・。」

 

 廊下を歩いていると足元がおぼつかず、フワフワしている。まだVRの世界にいるような感覚だ。

 

 「まっすぐ歩けてないよ?」

 「マジ?」

 「マジ。さ、お手をどうぞ?」

 「でも汗臭いよ?」

 「運動でかいたフレッシュな汗だから大丈夫。」

 

 そういうもんか?けど、たしかに充実感のあるスッキリとした心地だ。永らく陽の光を浴びていない状況にあったが、こんなに気持ちのいい汗がかけるなんて。

 

 「いい運動になったかな、ありがと。」

 「うむうむ、年下の少年のいい匂いだ。」

 「やっぱちょっと離れて。」

 

 せっかくいい気分だったのに、気持ちが悪くなってきた。という怖い。たまにシェリルのことがわからなくなる。

 

 「ちょっと、過剰接触じゃない?それともこれがいつも通りなの?」

 「うん、年下組がいなくて寂しいんだよ。セシルの気分でもないし。」

 「セシルの気分?」

 「なんでもない、こっちの話?」

 

 まあ、セシルが遊び相手になってくれないってのはなんかわかる気がする。

 

 「でも、セシルとももっと遊びたいかな。僕は。」

 「お?遊馬はセシルに気があるとか?」

 「そういう意味ではなくて・・・。本当ならラッピーのことでセシルと盛り上がれたんじゃないかなって思っただけ。」

 

 正直、ラッピーのグッズを見た時それを期待した。

 

 「まあ、ああ見えてセシルって結構甘えたがりなところあるし?」

 「そうなの?」

 「年上の包容力?を見せたらイチコロよ。」

 「セシルって何歳?」

 「23。」

 「僕より年上じゃないか・・・。」

 

 むしろ、遊馬より年下はこの艦にはいない。

 

 「なら、かわいい弟作戦でどう?」

 「それにかかるのはシェリルの方じゃないの?」

 「まあね。だからセシルよりも私と遊ぼう!」

 「先にシャワー浴びてくる。」

 「背中流してあげようか?」

 「いい。というか覗かないでね。」

 

 ひょっとして狙われているんだろうか?と思うのは自意識過剰だろうか。ともあれ、何の乱入もなく無事に湯を浴びることが出来た。

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