ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

74 / 307
第70話

 『それで選んだのが寄りにも寄ってコレかよ。』

 「体動かせるのがいいかなって。」

 『やってる方は命懸けなんですが。』

 

 学校から場所は変わって、宇宙空間。

 

 『よっ・・・ほっ・・・。』

 「トビー、操縦上手いね。」

 『まあね、これぐらいの重機ならラクショーだよ。』

 

 『美鈴ちゃん、スピードは抑えめでいいからね。』

 『はい・・・ぶつからないように慎重に・・・。』

 

 作業マシン『ドラムガン』に乗ったり、美鈴はカサブランカに乗って、みんながやっているのは宇宙のゴミ掃除。『スペースデブリ回収』だ。

 

 「ちょっと気になることがあって、確認のためにね。」

 『気になること?』

 「それがあってるかどうかの確認ね。それにしても、レベリオンの操作に慣れたら、こっちはなんだかトロいなぁ。」

 

 レバーを倒すとアームが伸びて、宇宙空間を漂うゴミを掴んでは背中のカゴに収納していく。しかしその動作はどうにもワンテンポ遅く感じる。

 

 それにゴミは無数にあるのだ。こんなにちまちまとやっていても埒が明かない。

 

 「リングの内側だけでいいから。」

 『内側だけ、って言っても相当な量だぞ。』

 「カサブランカのスピードなら・・・。」

 『出来るね。スピード訓練といこうか?』

 『はい!』

 

 遠くで網を張ってゴミを集めていたカサブランカが身構えると、b-スターを吹かせて急加速してかっ飛んでいく。

 

 「おー・・・あっという間に消えたな。」

 『戻ってきたぞ。』

 「え、はや。」

 

 言い切る前に目の前を通過していった。その背後にはゴミが巨大な塊となって着いて行っている。

 

 1周30秒とかかっていないだろうそれを2周3週と見送ると、見る見るうちに塊は大きくなっていく。

 

 『ただいま!』

 「おかえり。美鈴大丈夫?」

 『て、手がブルブルしますのよ・・・。』

 『高速戦闘は美鈴ちゃんにはまだ早かったかな?』

 『あんなスピードのままで戦うのか?』

 『レベリオン同士なら普通のことなんだけどね。』

 「現代では考えられないな。」

 

 単純に機体のスペックが違い過ぎるのもあるだろうが、八卦島での戦いとは明らかに様相が違い過ぎた。

 

 機体のスペック以上に、乗る人間の問題があるのだろう。

 

 いかに機体が速かろうと、それに乗る人間の動体視力や反射神経はそのまま。人間の常識を遥かに上回る速度で動くレベリオンを操縦するのは、すさまじい勢いで精神をすり減らしていく。

 

 『大丈夫?まだ行ける?』

 『ちょ・・・ちょっと休憩させて。』

 『よっと。エルザって結構スパルタだね。』

 『これぐらい耐えられないと生き抜くのは難しかったからね。』

 『むしろよくGで潰れなかったな。』

 『G緩衝装置が私にはついてるからね。』

 

 いや、そもそも人間同士の戦いに、火星製のレベリオンを持ち出すこと自体がオーバースペックすぎるのかもしれない。広大な宇宙と、島一つとでは戦いのフィールドの広さが違い過ぎる。ただの人間にはライトレベリオンのスペックがちょうどいいのかも。

 

 『よーし、もういいかな?次行ってみよう!』

 『は、はい!』

 『らぴ!』

 『お、ラッピーもやる気?ついて来れるかな。』

 『らぴぃ!』

 

 まあ、そのオーバースペックも今こうしてデブリ撤去作業に役に立っている。地球人全体共通の問題を、1人で解決しつつあることを考えると、本当にスーパーマンのような存在だ。

 

 「力を持つものは孤独、ということか・・・。」

 『なんか言ったか?』

 「いや・・・。」

 

 そうしている間にも、カサブランカは白い流星になって地球を綺麗にしていく。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。